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人手不足は若者の車離れが原因か
2014年8月1日
「良い人材が集まらない」「ドライバーを募集しても応募がない」と話す運送事業者が多い。その理由として、「若者の車離れ」をあげる運送事業者は少なくない。今後、人材不足が深刻化することを踏まえ、業界も対策に乗り出しつつある。しかし、抜本的な解決策を見いだせていないのが実情だ。
今年1月、ソニー損害保険が「2014年新成人のカーライフ意識調査」結果を発表した。1993年4月2日?1994年4月1日生まれの新成人男女1000人から回答を得たもの。自動車運転免許の保有状況では、全体の56・7%が「免許を持っている」と回答。「取得する予定はない」は11・3%にとどまり、「教習所へ通っている」「時期は決まっていないが、取得予定」を加えると、88・7%の人がすでに免許を取得しるか、免許を取得する考えがあるということが分かる。「若者の車離れとは自分自身のことだ」との問いには、「あてはまる」は34・6%だったのに対し、「あてはまらない」が36・9%と上回った。「車に乗る必要性を感じない」との質問では、「あてはまる」が28・6%、「あてはまらない」は51・7%で、「『車は必要』と考える新成人が多数派」と分析している。一方、「車を所有する経済的な余裕がない」との問いに対しては、66・9%の人が「あてはまる」と回答し、車は必要なものの、所有する余裕がない状況が浮き彫りになった。
この調査結果を踏まえると、トラックドライバーのなり手がいない理由の一つとして「若者の車離れ」もあげられるが、若年層の車に対する関心は低くないと言える。逆に、車を所有したくてもできない状況があるのではないか。また、残業などを望まず、プライベートな時間を大切にしたい人や自分の趣味を第一に考えて、最低限の収入が得られれば良いなど、仕事に求めるものは様々。その一方で、とにかく働いて稼ぎたい人や運転が好きで仕事にしたい人もいる。
ドライバーのなり手がいない運送業界にとっては、「とにかく稼ぎたい」「運転を仕事にしたい」と考える人を、いかに取り込むかが重要だ。それと並行して引き続き、高い給与水準を維持するための原資となる運賃の確保や、働きやすい労働環境の整備といった課題解決にも取り組まなければならない。
さらに、これまでよりも一歩踏み込んだ対策も必要ではないか。例えば、自動車メーカーとの連携もその一つだ。車の購入意欲のある人は少なくとも運転に関心が高い。そういった人をトラックドライバーとして取り込む仕組みづくりも検討できる。逆に、トラックドライバーの収入が上がれば、購入意欲が高まり、車の販売を後押しすることにつながるのではないだろうか。
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