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    低迷する合格率の背景は 運行管理者試験

    2014年10月27日

     
     
     

     運行管理者試験(貨物)の合格率が急降下している。受験者からは、特に試験内容が難しくなったという声は聞かれないものの、今年8月24日に行われた試験の合格率は14.4%(合格発表は9月22日)という状況。数年前には60%を超えたこともあり、平成20年以降は40%前後で推移していたが、25年度の8月試験(19.3%)に続いて20%を割り込む狭き門となっている。ただ、一方では「運管者の不在による事業停止処分の猶予措置を受けるため、その条件となる『(不合格でも)とにかく受ける』という受験者の混入が影響しているのではないか」との指摘もある。



     運管者試験は毎年度の8月に1回目、翌年3月に2回目というスタイルで年に2回実施されているが、25年5月1日から、それまで法の盲点となっていた「5台割れ事業者」にも運管者の選任を義務付けたことで受験申請が増加。一方、運管者不在による行政処分(30日間の事業停止)の猶予期間を今年4月末までとしていたものの、なお不適事業所が多く存在することから、「(合格しなくても)運管者試験を受験し、選任に関する計画書を提出」した場合、さらに猶予期間が27年4月末まで延長される。

     19.3%という低い合格率だった25年の8月試験から一転、今年3月に実施された2回目は37.4%に上昇。今年5月には異例の臨時試験まで設けられ、ここでも35.2%という数字を残したことで「運管者の不在を早期に解消するために国も助け舟を出しているのではないか」との憶測まで流れた。しかし、前述した通り、この8月試験は「合格者は7人に1人」という記録的なレベルで終わっている。

     挑みつつ敗れ去った受験者らに聞くと「過去の問題をやるだけではなく、解説も含めて隅まで目を通しておかないと合格できない感触はつかめた」(初めて受験したという兵庫県内の運送会社に勤める女性)という声が目立つ。また、3回目だったという30歳代のドライバー(同県)は「ひっかけ問題に、まんまと引っ掛かった感じ」と肩を落とし、広島県の女性役員も「申し込むのを忘れてダンナ(社長)に怒られたけど(14.4%という合格率を聞いて)バツイチにならずに済んだ」とおどける。

     運管者試験に詳しい関係者によれば「数年前に出題内容や方式が一部で変わったが、そう大きな違いはないと思う」と分析。ただ、「前回の試験で誤りだった問題を、次は正解の内容にして出題すると間違える傾向は見られる」と補足する。

     また、一部では「(行政処分を)猶予してもらうための『とりあえず受験』が相当数いるのかもしれない」と、極端に低い合格率に首をかしげる関係者もいる。

     
     
     
     
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