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運送会社
八潮運輸 80周年をひとつの節目に、ホワイト物流も目指す
2020年5月20日
八潮運輸(埼玉県八潮市)は1940年に創業し、今年4月に創業80年を迎える。メーンで扱う紙業界は全般的に厳しい状況にあるものの、同社が扱う段ボールの原紙は、「食料品や通販業界で需要が伸び、微増ながらも上向きを維持している」という。
22拠点の八潮運輸グループを率いる宮地宙社長は、社長就任後、今年6月で14年目を迎える。「社長に就任したのはバブルがはじけた後の、長い冬の時代から経済が上向き加減になり始めていた時。しかし、すぐにリーマン・ショックが起こった。あの時は本当に先が見えず、一旦は赤字にもなり大変だった」と振り返る。
そこで経費を見直して削減し、経営をスリム化することで、半年後には赤字から脱却。「どうにか建て直せそうだとホッとした4月頃から、主要顧客も戻ってきた。スリム化した分、回復も早かった」という。
現在、同社が進めている中期経営計画は、2022年度までの5か年計画で、グループ売上高80億円を目指すというもの。「計画スタート時の売り上げは約51億円。この4月で計画の2年目が終わり、売り上げは約61億円を達成する模様で、今後の3年間でさらに20億円増を目指していく」と話す。
「売り上げアップの軸は何といっても営業力。営業専門の人材もいるし、もちろんそれに見合う物流現場があってのことだが、我々のこの規模の物流会社としては営業力は強い方だと思う。昨年開設した尼崎営業所も順調に伸びており、人材も確保できている」とし、「荷主にも恵まれていると思うが、それには良きパートナーとなるための努力も欠かせない。会社の行動指針でも『イエス、コミュニケーション』を掲げているが、物流は荷主の手足として、荷主のニーズにはイエスで応えていくように努力している」と述べる。
働き方改革に関しては、「ドライバーさんに関してはまだ一部調整中の方はいるが、方向性はできている。荷主のレンゴーさんとのお付き合いも60年くらいになる。ここには古紙を納入し溶解するところまでを八潮グループの別会社で請け負っており、出来上がった段ボール原紙のロール状になった製品の輸送と保管管理をするにも、入口と出口の仕事をいただいているので、計画に従って人手の配置について予測や調整ができるし、していかなくてはいけない」。労働時間の縮小とドライバーの給料については「能率給制度を採り入れている。業績連動で賞与として出すことで残業が減る分は補い、労働時間が減っても年収ベースで収入が減らないようにしている。お客さんの方もホワイト物流を意識して労働時間短縮を気にしており、わが社でもホワイト物流を目指している」。
第1期中期経営計画で立てた目標が「永続する企業という意味で、創業100年・年商100億円」。そして第2期として2023年4月までの5か年計画を確実に進めている。「わが社は優秀な人材に恵まれている。企業が成長するためには、社員一人ひとりが成長していかないと。営業面でもそれぞれに自由度と、ある程度の権限を持たせて積極的に個々が指示待ちでなく動いてもらえるようにしている」と語る。
休日にはサーフィンを楽しむという宮地社長の座右の銘は「万事塞翁が馬」。80周年を一つの節目として、八潮グループは粛々と目標へと突き進む。
◎関連リンク→ 八潮運輸株式会社
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