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運送会社
野々市運輸機工 吉田章社長 社内コミュニケーション推進
2020年11月27日
【石川】金沢市に本社を構える野々市運輸機工の吉田章社長は昨年10月、代表に就任。5年ほど前から取り組んでいる社内コミュニケーションの推進は多方面から関心を呼び、ヤマネット (山田泰壮代表、愛知県名古屋市)のセミナーで講師を務めるなど、活躍が注目される。
吉田社長が社内コミュニケーションの重要性を実感したのは、まだ専務時代だった頃で、頻発する人間関係におけるトラブルを紐解く過程で、主な要因を「情報共有ができていない」という点にあると感じたこととし、「まずは情報をオープンにする動きからはじめた」と語る社長はチャットやSNSなど、デジタルツールの活用を進めて社内に蔓延していた「見えない壁」を取り払っていった。
情報の共有を進めるなかでは好循環を生んでいったが、「デジタルだけでは良好な人間関係は築けない」との考えもあり、社屋の新装時には、あえて社長室を設けず、スタッフらと同じ空間、同じスペースに自らのデスクを設置。「特にこちらから積極的に話すわけではないが、皆と同じ空間を共有しているだけで、そこから伝わってくる空気感や実際の会話で気付かされることがある」とその意義に触れる。
コロナによる影響を色濃く受ける社会になってからは、人同士の交流が簡素化されていく流れを目の当たりにして、「アナログコミュニケーションの価値を、再認識した」と発言。「将来的にはデジタルで全てを賄える社会が実現するのかもしれないが、今の段階ではまだまだ五感を使ったコミュニケーションが必要」と見解を述べ、また「『従業員と経営者の近さ』と『機動力』が利点である中小企業にとって、迂闊にデジタルの流れへと身をまかせるのは危険なこと」との考えを明かす。
デジタルとアナログコミュニーションの棲み分けに関しては「それぞれ良さがある」と場面に応じた適用を示して、今後におけるさらなる社内交流の充実に意欲を見せる吉田社長。昭和51年の設立以来、現在に至るまで事業を継続させてきた同社の創業者であり、祖父にあたる吉田肇氏の「会社を続けてこられたのは、従業員の支えがあったおかげ」との言葉は、そんな社長の背中を強く押しているという。
◎関連リンク→ 野々市運輸機工株式会社
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