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物流ニュース
無料化措置受け東北へ 西日本のトラックが大挙
2011年8月18日
中型車以上について、東北地方の高速道路無料措置が6月20日に実施されてから、西日本の運送会社のトラックが大挙して東北地方の高速道路に向かっている。特に北関東に得意先を持つ事業者が同措置を「活用」して、無料の恩恵を受けている。国交省やト協からは目的外利用の是正を呼びかけているが、東北行きの勢いは一向に収まる気配はない。
大阪のある運送会社は、7月に入ってから「無料措置」を積極利用している。大阪で通行券を受け取り、中央道経由で東北自動車道の白河IC(福島県)まで走行し、料金所で通行券を渡していったん降り、再び料金所に戻り、通行券を受け取って栃木県の矢板ICで降り、目的地へ向かう。帰りは、埼玉県川口市で荷物を積み込み、常磐道の水戸IC(茨城県)で乗り、そのまま大阪方面へ走らせるという。
運送会社社長は、「片道2万円はかかる通行料金が無料になるのは大きい。遠回りすることで燃料費は通常よりかかるが、全線高速を利用し、大型車で燃費はリッター1キロは伸びている。運転者への負担も軽減でき、今回の措置を使わない手はない」と話している。
また、大阪の別の事業者は今回の措置を受け、仙台行きの便を増発させた。地場運行のトラックも止め、新潟回りで積極的に東北方面にトラックを走らせているという。「今まで仙台行きは二の足を踏んでいたが、無料の措置を受け、行くようにしている。関東便より運賃が1万円高ければトラックを走らせている」と話している。
長距離をメーンに事業展開している運送会社社長は、「長距離運行で一番のネックは高速料金。ETCの深夜割引を使っても関西から関東まで片道7000─8000円はかかり、売り上げの3割を占めるところも珍しくない。高速料金が大幅に削減されるメリットは大きい」と分析。
しかし、無料措置の情報がドライバー間で錯そうする中で、その「恩恵」を受けられなかったところもある。関西のある運送会社の運転者は、社長を喜ばせようと仲間の情報を元にICで通行券を受け取り、名神高速、東名高速と走り、首都高速に入ったが、首都高速に入る前に通行券を回収されてしまい、ETCの割引も受けられず、社長から大目玉を食らったという。
また、ある事業者の運転者は「時流」に乗りたいと東京から水戸ICまでの120キロを一般道で走行したが、大渋滞に遭い、翌朝の指定の到着時間に間に合わず荷主から厳重注意を受けたという。 31日の期限終了まで騒動は続きそうだ。この記事へのコメント
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