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    桜井 トラックの屋根に貼り付ける遮熱粘着フィルム開発

    2013年1月23日

     
     
     

     日本製紙グループの桜井(東京都台東区)は、トラックの荷室庫内の温度上昇を抑制する遮熱粘着フィルム「CoolCal(クールカル)」の発売を開始した。約40年にわたり、車両や屋外広告などで使用されるマーキングフィルムの開発・販売を手掛けてきた同社。これまでに蓄積してきたノウハウを活かし、新たに「機能性」を持たせた商品として展開を始めたのが同製品だ。
     産業材販売推進グループの小嶋圭課長代理(写真左)は、「フィルムの基材となる塩ビに遮熱顔料を均一に練り込むことで、太陽光の熱線を効率よく反射する。これをトラックの屋根に貼り付けることで、車体の温度上昇を抑えることができる」と説明する。


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     同じ用途の製品として「遮熱塗料」が挙げられるが、「建設関係で広く使われるようになってきたが、トラックではあまり普及していない」と指摘する。その理由は、「『塗料を塗る』という行為が感覚的に受け入れられにくい」ことと、「重ね塗りが必要で、日数がかかるなど施工性にも問題がある」と分析する。
     その点、同社が提案するフィルムであれば、「車体を洗って貼るだけ」で、「施工コストだけでなく、車を止めることでのロスも最小限に抑えられる」と説明する。
     同社では、昨夏に冷凍車や保冷車を保有する事業者の協力を受け、4か月間にわたり実車でのテストも実施。1.5トンの保冷車でテストしたところ、「フィルム未施工の車両ではどんどん温度が上昇し、庫内の天井の温度は摂氏45度以上にもなった」という。一方、「クールカル」を貼った車両では、外気温とほぼ同じ温度帯で推移。伊林賢浩主査は、「10度以上も下げられることが確認された」と胸を張る。
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     テストに協力したのは、断熱材が入った荷台で食品配送を手掛ける運送事業者で、「発泡スチロールを使って鮮度の維持に努められているが、商品管理をより確実にやるための方法として遮熱フィルムを検討されている」という。
     また、別の運送事業者では、10トンの冷凍冷蔵車でテストを実施。施工、未施工それぞれ3台ずつデータを取り、平均値を割り出した。その結果、「予冷時間を短縮できる」という効果が表れた。「これまで1時間半ー2時間程度かかっていたのが、1時間で済むようになり、コストだけでなく作業時間の節約にもつながった」。
     燃費に関しては、月間平均1万kmの走行で、同11%の改善効果が。「コストに換算すると4か月で1台あたり約15万円下げることができた」という。
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     「クールカル」の導入費用の目安は、10トン車1台で約14万円(材料代、施工費込み)。小嶋課長代理は、「燃費改善効果で、ひと夏で元が取れるケースもある。2年目以降は全て利益となり、5年で60万円の経費削減が実現する」と説明。耐用年数は5年。重さは1平方mあたり200g弱と、積載への影響はほとんどない。フィルムの色は基本的に白だが、「1000mから特注色が可能」だという。
    ◎関連リンク→ 桜井株式会社

     
     
     
     
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