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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(410)成果を配分するシステムをもつ―3
2023年2月23日
成果を図る物差し
まず報酬についての配分は、職場の特性に応じた数字の基準が必要となる。一般的には利益という数字で、全社で把握し、部門別、責任単位別で明確にする計算制度を作らねばならない。
その上、全社、部門、個人とそれぞれ利益目標を持ち、達成率が物差しとなる。
家具店を例にすれば、全店の利益目標を作る。次いで小グループ3〜4人単位で目標を設定する。そして個人で目標を持つという段取りとなる。達成率に応じて報酬を配分する。
こうした配分ルール作りは、社長一人が独断するのではなく、全社員の納得を得るようにしなければならない。
経営のやり方に、コミットメント。参画を全社員に求めていくプロセスで、一人ひとりに責任感と充実感、存在感をもたらすからだ。
成果は報酬だけではない。先にも述べたが、仕事の遂行を通じて獲得する喜び、充実感という無形のものがある。これの物差しとは何か。
それは、一つひとつの仕事の大切さを知り、職場になくてはならないという存在であるかどうかということである。そのためには一人ひとりが自信と誇りを持つようにしなければならない。
従ってこの物差しはコミュニケーションが上手くいっているかどうかで判断できる。
コミュニケーションが上手くいくようにするには、必然的に一人ひとりの存在を認めあい、喜びを共有していくシステムの確立がなければならない。
心が通い合っていなければ、喜びや充実という無形の成果は配分されていない。心が通うとは何か。相互に信頼し、目標を共有化し、かけがえのない関係を目指していって心が通うのではなかろうか。
きれいごとを言っているつもりはない。同じ働くとしたら、やはり他よりエクセレント、卓越さを指向していくのが企業経営のやりがいというものである。
成果を配分するシステムは難しいか。決してそうではない。むしろ当たり前である。企業のそれぞれの状況において、自分に合った物差しを設定する。それぐらいの努力は当然なされねばならない。
Mサイズの人にLサイズをすすめてもぶかぶかである。
従って自分に合った成果を図る物差しを全社員の参画を得て確立する。
前向きに企業の成長を願い、働く一人ひとりの成長を志す限り、成果配分システムは不可欠の条件である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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