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  • ブログ・川﨑 依邦

    中小運送会社の経営改善の記録(14)ドライバーが給与改革に反発

    2012年10月4日

     
     
     

     給与シミュレーションは繰り返し、繰り返し行う。運送業の時間外労働手当を時間数×割増単価という計算方法のみで算出するとなると、運送業は矛盾・不公平に直面する。



     時間を長く働くと、その分、給料がアップすることになり、いつまでたっても時間外労働時間数は減らない。そこで何としても会社割増賃金ルールを作らねばならない。このままではドライバーのやる気が上がってこない。運行効率を上げる。合理的な経路をとって時間短縮する。回転率を上げる。運送収入のアップに貢献する。さらにグリーン経営の実践として、燃費効率を上げて車を大事に扱い修繕費を減らす。こうしたドライバー一人ひとりの努力を給与に反映していくことである。

     給与シミュレーションによって一般管理費率や車両費の社内ルールが決まる。その上で給与モデル表を作る。給与モデル表を労働組合の元委員長に提示して意見を聞く。「強烈ですね」。労働組合の元委員長によると、ドライバーの反発は必ず起きると述べる。「今まで時間外労働は、時間数を意識して働いてきたので、急に給与原資ルールを見せられるとワイワイ、ガヤガヤとなりますよ」。

     「もちろん、経営幹部の立場で考えると給与原資ルールは納得できます。しかし、『オール完全歩合か』と言って反発が起きますよ」。平成20年8月の全体会議で「給与改革する」と宣言している。10月の全体会議で、給与原資ルールの基本コンセプトを説明することになっている。理論的に完全歩合でもなく出来高給でもない。あくまでも会社割増賃金である。そのため、毎月勤怠管理をしっかりと行うために、タコチャート紙から労働時間を把握している。その上で法定の時間外労働手当を算出し、運行時間外手当と比較検証している。

     ところが、ドライバーは反発必至である。「これでは仲間内で仕事を取り合うようになって仲間内がギスギスする」「せっかく、このところ落ち着いてきたのに心が悩む。給料が下がったらどうしようか」。

     給与改革は経営者の決断による。「やるしかない」と心を決める。このままでは自社収支の黒字化は望めない。ドライバーの意識も変わらない。予定通り10月の全体会議で説明することとする。いよいよ明日は10月の全体会議という日、プレジャーの常務から私宛てに携帯のコールが鳴る。「社長、今、ドライバーが休憩室に集まっています。このまま給与改革すると全員会社を辞めると言っています。どうしましょうか」。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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