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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(34)営業改革実践シリーズ2

    2013年11月29日

     
     
     

     ?運送から新分野への拡大事例



     M社…車両台数30台 運送会社
     機械器具・重量物を主な取り扱い荷物としている。車両はユニック車メイン。M社の経営状況は、取り扱い荷物が特殊であったため、運賃値下げは他社と比べても厳しいものではなく、黒字経営を維持していた。しかし社長は、「現状維持こそ最大の経営危機」と考え、物流という枠に囚われることなく営業開拓を実践する。

     ■M社の営業項目
     以前は、他社と同様に既存荷主への営業一本であった。現在は、機械器具設置工事業、産業廃棄物収集運搬業、重量物据え付け・解体工事一式、設備工事一式、土木建築工事一式、倉庫業と、産廃収集運搬、物流の前後作業となる機械設置、また、新分野進出となる土木建築工事など、自社の仕事にかかわる様々な人脈を駆使してビジネスを拡大している。

     M社は、こうした物流という枠に囚われることなく、自社にできることを把握し実践することで、同業他社と格差をつけて利益率を高めている。また、様々な事業を手がけるようになり、営業先を増やすことにつながった。

     ■M社への「営業活動はしていますか?」という質問に対する回答
     ▽1位 安い運賃の仕事しかないから…
     ▽2位 良い荷主には大手が参入しているから…
     ▽3位 私の会社は零細企業だから…

     1位から3位まで、つまるところ「営業活動はしていない」といった状況である。

     M社長は頭を切り替える。安い運賃であれば、朝・昼・夕と時間を組み合わせることによって、時間効率をはかれないか。あるいは、他の荷物を積むことで、積載効率は上げることはできないか。良い荷主は大手が参入しているといっても、ニッチはないか。ニッチとは、大手が手掛けていない隙間である。零細企業と言って、心まで縮まっていないか。他社にない強みを伸ばしていくことはできないか。中小・零細企業が強みを発揮していくには、ドライバーを戦力化することである。

     ここ最近では、中小企業においても名刺の裏に、営業種目として?システム開発??商品販売??メンテナンス事業??コンサルティング?など、様々な分野に参入している会社が増えている。こういった企業は、自社の能力を最大限に引き出し、異業種分野と物流をうまくリンクさせて営業展開している。

     現状、ほとんどの企業が上記(1位から3位)のように「営業活動ができない理由」が先行している。もう一度、「物流に囚われず、自社に出来ること」を考え、ビジネスチャンスをつかみとろう。  

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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