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    経営再生物語(92)経営活性化シリーズ41

    2015年3月12日

     
     
     

     (41)足元を見つめなおす=脚下照顧



     中小運送業は基本的なことが疎かになりがちである。少ない人員で業務運営しているので、営業やドライバーの労務管理・収支把握・経理業務などを一人三役でこなすことが多いため、どうしても「漏れ」が生じてしまうことがある。そのような環境下でも、優秀な経営者・管理者は確実に抑えなければならないポイントを意識して活動していく。

     確実に抑えないといけないポイントは、大きく分けて?ドライバー労務管理?営業案件の発掘活動──の2点に集約できる。

     ?については、簡単にいえばトラックを運転するメンバーをしっかり掌握できているかどうかである。毎日、確実に点呼を実施して体調管理を行い、日報チェック・タコチャートのチェックを通して個人面談を定期的(1か月に1回、15分?30分程度)に実施しているかどうかである。運行効率の伸びないメンバーや燃費効率が悪いメンバーに対して、しっかりと指導することでコミュニケーションを深めていく。

     また、安全会議を定期的に実施して中身のある会議運営をしているかどうか。体裁だけ整えたような安全会議ではなく、自社の業務に則した実務的な安全会議(配送先での注意事項の共有・工場内での注意事項など)を推進しているかどうかである。定着率が悪い、ドライバーの出入りが激しい会社は、このようなことが圧倒的に不足していることが多々ある。

     すぐにこうした取り組みが難しい場合は、点呼と個人面談を確実に実施することから始めていく。会議の運営や資料作成に割ける時間がなくても最低限、出庫時もしくは帰庫時の点呼は実施できる。そこでのドライバーとのコミュニケーションを大切にしていく。ドライバーのちょっとした機微を感じ取れることができれば、上出来である。

     ?については、何を差し置いても売り上げが上がらないことには前に進まない。営業アンテナを張った地道な営業活動は、簡単なようでなかなか難しいものである。気付いた時に実践するということが大切で、少ない時間の間隙を縫うような営業活動を意識することである。

     足元を見つめなおして、足らざるところは改めていくという気持ちが大切である。これが?脚下照顧?である。脚下照顧とは足元を照らしてよく見つめて進むことである。即ち、一日一日の基本行動を大事にすることを指す言葉で、禅の教えである。大きな夢や大望を実現するためには、上だけ見て歩いてはならない。脚下照顧、足元は大丈夫かということである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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