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  • ブログ・野口 誠一

    第182回:店員になり3年後、経営者に返り咲き

    2008年8月15日

     
     
     

     倒産を余儀なくされ、一文なしとなったTさんは、その後、懸命に働いた。自分はスーパーの店員として、奥さんもコンビニのレジ係として生活を支えた。はじめの3年間はそれこそ死にもの狂いに働いたと言っていい。
     むろん、生活のためでもあったが、それだけでもない。やはり、債権者に迷惑をかけたことや、債権者に甘える形で経営に幕を引いたことに対する自責の念が、怠け心を許さなかったのである。
     その3年が過ぎた頃から、Tさんの心に余裕が生まれた。すると、自分の倒産の光景が違って見えてくる。
     それまでは、大手スーパーが列島を席巻していく時代の流れに負けた、大手資本との体力消耗戦争に敗れた、と思っていたが、どうもそれだけではない。そこにはそういう時代がくることを見抜けなかった自分、したがって何の対応策も持っていなかった自分がいる。
     なぜそうなったか。好業績にあぐらをかき、公的活動にクビを突っ込みすぎて脇が甘くなっていたからである。
     


     そこに気付いたときから、Tさんのなかでスーパーのありようがまるで別のものになった。同じスーパーでも、経営者の視点と店員の視点はおのずから異なる。ましてや消費者の視点は大いに異なる。
     Tさんに「消費者のためのスーパー」像が見えてきた。と同時に、もう一度スーパーを経営してみたい、その意欲が腹の底から湧き上がった。そしてチャンスがめぐってきた。奥さんの実家がある東北の地方都市から声がかかったのである。
     平成13年、Tさんはスーパーの経営に返り咲いた。それは彼の理念とアイデアが詰まった夢の実験スーパーでもあった。
     そして図に当たった。目下、彼の経営は順風満帆、無借金経営である。そしてその視野には「まちづくり三法」という時の流れもしっかりとおさまっている。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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