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    「工場見える化システム」で物流センターも効率化

    2009年9月7日

     
     
     

     パナソニックシステムソリューションズジャパンは、生産工程の改善にカメラ映像を活用したソリューションを提案している。その名も「工場見える化システム」。名称の通り、いまのところ工場への導入が中心だが、物流センターからの引き合いも増えているという。同社AV&Sグループ「工場見える化システム」担当参事の金指三喜夫氏と、主事の山崎博史氏に話を聞いた。


     同システムは、多品種少量生産の課題が顕在化していたパナソニックの社内分社、システムソリューションズ社で行われた「モノづくり改革」の中から誕生した。「業務の標準化やムダとりを進める上で、現場の人員が全てをチェックするには限度がある。そこで、カメラを『目の代わり』に使えないかという発想から生まれたもの」(金指氏)。
     工場内にネットワークカメラを配置し、管理PCでカメラの操作(回転や画角操作、ズーム)、ディスクレコーダーの操作(記録・再生)、映像のモニタリングを行う。工場の全体像はもちろん、最大30倍ズームで、40―50m先の作業者の手元まではっきりと映し出し、記録することが可能だ。また、拠点間を結んで、リアルタイムでの遠隔モニタリングを行うこともできる。
     同システムを活用することで、「業務を客観的に見ることにより、『気づき』を発見することができる」という。「慣れてしまった業務だとそれが『当たり前』になってしまい、無駄なポイントなどに気づくことが難しくなる」。パナソニックの工場では、俯瞰的な目線で記録された映像を分析した上で、「部材の置き場所を変更して作業者の動きを最小限に抑える」、「無駄な仕掛かり品ができないようにライン上の人員配置を見直す」などの改善を実施。これらの取り組みにより、1年で40%の生産性向上を実現したという。
     一点、同氏が強調するのが「監視の目的ではない」ということ。「『業務を監視する』というと従業員が身構えてしまう。あくまでも『生産性向上のためのツール』という位置づけとしてご活用いただきたい」。もっとも、最大30倍ズームのカメラを採用しているため、「見られている」という意識を持たせずに、普段どおりの業務をモニタリングできるのは同システムの強みでもある。
     パナソニックの工場以外にも外販を進め、同システムは約80社の導入実績がある。今後は、工場のみならず、物流センターへの導入も進めていくという。同氏は、「生産工程に比べると、物流工程はまだメスの入っていない部分が多い」と指摘した上で、「映像という客観的なものを元にしているため、現場のリーダーが口で指摘するより何倍も説得力がある。(改善をすることで得られる)効果に対しても納得した上で取り組めるはず」とアピールする。
     価格は、基本システム(ネットワークカメラ四台、ディスクレコーダー、基本ソフトが搭載された操作PC)が約250万円(工事費別途)。なお、パナソニック製の監視カメラを導入している物流センターであれば、それらの機器を有効活用することも可能だ。
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    金指氏(左)と山崎氏
     詳細は、http://panasonic.biz/solution/factory/
    ■「動線描画ソフト」を追加発売
     同社は、同システムの新たな機能として、「動線描画ソフト」を追加発売した。画面上の検出人物の動線を実線で表示。表示された線を色分けすることもできる。また、あるエリアを指定し、そのエリアに何回進入したか、あるいは何分滞在していたかなどの細かいデータを統計することも可能。「CSV形式でデータ出力を行うこともできる」(山崎氏)とし、映像を追うだけでなく、データ面からの分析により、さらに高い精度での効率化実現を支援する。
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     センター運営の効率化を図る上で、動線分析は欠かせない要素。動線データの収集を手軽に行うためのツールとして役立つと言えそうだ。価格は約100万円。年間で50ライセンスの販売を目指す。

     
     
     
     
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