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    サイバーダイン ロボットスーツ作業支援用HAL(腰タイプ)

    2015年9月1日

     
     
     

     サイバーダイン(茨城県つくば市)は、「人を支援する」をコンセプトに、医療・福祉・生活分野を対象に、さまざまな製品を展開している。工場・建設現場向けの取り組みでは、作業者の腰部にかかる負荷を低減するための製品を開発している。同社CEOで筑波大学大学院教授も務める山海嘉之氏に話を聞いた。
     同氏は、「作業する人たちの体を守りながら作業効率を上げ、長く仕事を続けてもらえるように」と、その製品コンセプトを説明する。物流業界向けにも注力しており、物流現場の基本的な動きである荷下ろし、荷揚げ、搬送を支援できる。
     なかでも注目を集めているのが、「ロボットスーツ作業支援用HAL(腰タイプ)」だ。脳から神経を通じて筋肉に伝わる微弱な生体電位信号を読み取ることで、利用者が考えた通りに動きをアシストし、腰部への負荷を低減する。


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     交換タイプの充電式バッテリー駆動で、狭い場所でも使用可能。操作はボタン三つのみで、作業に合わせて5段階のアシスト率を選択できる。稼働時間は満充電で約3時間。電池も含めて2.9kgと軽量なのも特徴だ。装着にかかる時間は数十秒程度。
     山海氏は、「荷物の上げ下げを行う際は腰椎に力が集中し、作業を繰り返していると、椎間板ヘルニアや骨の摩耗につながる。発症してしまうと、一生付き合うか、仕事を辞めなくてはいけない状況になってしまう人も多い」と指摘。その上で、「重い物を持った際に腰部にかかるさまざまな負荷を低減し、体を守ることができる画期的な製品」と説明する。
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     また、「厚労省の指針の中で、『持つ荷物は、自分の体重の4割を上限に』という目安があるが、たとえば介護現場では、それを厳密に守ることはできていない」とし、「今後は女性や定年後の高齢者による介護も増えていくことが予想されており、いかに腰部への負荷を低減し、作業に従事する人を守っていくかが重要」と語る。
     デザイン性も高く、「働いている方々の姿を見て、これまでは『大変だね』で終わっていたものが、『カッコいい』『自分も装着して使ってみたい』と思ってもらえるように」と見た目も追求したという。安全面でも最新の国際安全規格ISO13482を取得している。
     当面はレンタルでの提供のみで、最短で半年、最長で3年間の契約期間を用意。期間や台数ごとにレンタル料は異なり、5台を3年契約する場合で1台あたり月額9万3000円、初期導入費用が別途10万円かかる。
     同氏は、「現状のシステムを変えることなく、物流現場の概念を大きく変えるもの」とし、「負荷のかかる作業が長時間繰り返される現場であっても、腰痛を防ぎながら快適に作業ができるよう、ぜひ導入いただきたい」とアピール。「高齢化に伴い、今後は労働力不足が加速する。きちんと労務管理を行える業界や企業が勝ち残っていく」という。
     また、作業者の負荷を低減する機器を積極的に導入することで、「熟練者が継続して働くことができ、さらに、後継者が集まってくるような業界を作り上げることができる」とも。「今後は、適切な労務管理を、ハイテクを活用しながら行っていくことが重要」と付け加える。
    ◎関連リンク→ サイバーダイン株式会社

     
     
     
     
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