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    問われる食品輸送の安全…「モラル頼み」の現状

    2008年11月13日

     
     
     

     食品物流で輸送の安全性がクローズアップされている。
     賞味期限の偽装に始まった一連の問題は、薬物混入にまで大きくなり、「輸送中に薬物が混入したのではないか」という声も出てきている。輸送していたコンテナ内塗料の薬物が食品に転移したと考える問題も発生しており、食品輸送に関する安全性がさらに注目を集めそうだ。関係行政などから話を聞いた。


     8月18日、厚労省は各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主幹部長あてに「食品の運搬にかかわる留意点について」という文書を送付した。内容は「菓子(揚げビスケット)を運搬中に、混載されていた化学物質が漏出し、当該食品を汚染したことにより、異臭苦情が発生した」というもの。
     厚労省は同事故を受けて、食品事業者に対してガイドラインに従って食品を運搬するよう指導している。「汚染された車両やコンテナは使わない」「食品以外のものを混載しない」「温度、湿度に注意する」などだ。
     しかし、食品を輸送する場合、法律などの規制はない。京都運輸支局は「放射性物質などの危険物なら話は別だが、基本的には何を運んでもいい。その運送会社のモラルの問題」(輸送課)としている。食品衛生を担当する京都府健康福祉部でも「食品衛生法は食品の製造・販売に許可を与えるもの。食品会社を縛ることはできても、運送会社は適用外だ」(生活衛生課)という。
     「法律がない以上、運送会社のモラルに頼るしかない。ただ、運送会社が輸送中であっても、問題が起これば私らは食品会社に責任をとってもらう」(同)と指摘。つまり、食品輸送に関係する法律がない以上、食品会社は自身の責任で運送会社を選択し、商品を発送させなければならない。食品会社ごとに出たさまざまなルールを、運送会社がクリアしていかなければならないわけだ。
     前出のビスケットの事故では、菓子会社と運送事業者との間で、「配送中に破損、滅失したときは、運送会社側が菓子会社側にその状況を速やかに報告、指示を受ける」ことになっていた。しかし、具体的な記載はなく、双方にとって「想定外」の事故だった。
     同事故で漏洩した薬品は気化性が高く、痕跡が残らなかったため、運送会社は菓子会社に報告しなかったという。京都府健康福祉部は「同様の問題は知られていないだけで、数多く発生していたのかもしれないが、今回のケースで初めて知った」という。今後、運送会社も注意が必要になるが、京都運輸支局は「この問題については何も知らなかった」という。
     食品輸送の管理に、業界を挙げての一層の取り組みが必要な時期に来ているのかもしれない。
    ■「混載やめよう」京都食品衛生協会・若松専務
    「食品輸送は、食品だけを運ぶよう徹底すべき」と話すのは、京都食品衛生協会の若松久雄専務。「食品とそれ以外のものを配送することをやめ、食品に合った温度で、きちんと運ぶことが必要」と指摘する。
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    若松専務
     最初から食品と薬品を混載しなければ、薬品が食品に転移しない。「これは会社側のモラルの問題。食品会社も運送会社も食品の衛生を守ることを徹底すればなくなる」と若松氏。しかし、「それが故意だった場合、話は別」という。
     「工場や物流施設などに関係する注意事項はあっても、輸送段階は何もない。会社と会社の信頼関係の上に成り立っている」と同氏。「故意に薬物を製品に混入する人間がいるとしたら、それは犯罪だ。事故であるなら、企業モラル向上を訴えることもできるが…」と嘆く。

     
     
     
     
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