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    デジタコは切磋琢磨の道具、やる気で変わる「結果」

    2008年12月24日

     
     
     

     「カネ以外に目的がある人間は違う」。
     ある運送会社の管理者は、社員のヤル気に関してそう実感する。その現象の一つは、自社の2t車ドライバーの燃費が10km前後にまで伸びていることだ。


     同社は兵庫県中山間地域に位置し、車両は40台程度。食品輸送が主体で「ヤル気」を見せる10人程度の「精鋭部隊」は、本社から山一つ越えた家電量販店の配送を受け持つ。各家庭へ大型家電を配送する地域は、京都を含めた北近畿方面一帯だ。
     家電配送には4台のディーゼル2tトラックが稼働、いずれも軽油1Lあたり9km以上の燃費を記録する。11月には1台が10.8kmまで燃費が上がった。精鋭部隊以外の同社ドライバーの平均は7km程度。
     北近畿は平坦な盆地に町が点在し、比較的少ない交通量と信号で燃費が伸びる環境だが、高速道路もまばらで峠越えは不可欠。上り坂で燃費が悪化する交通事情もある。
     同社は最近、デジタコを導入。エンジンが2000回転以上になると警告音が鳴るが、4台は1度も鳴らせたことがない。管理者は「装置の意味をよく分かっている。デジタコを監視道具ではなく、切磋琢磨の道具だと思っている」と分析する。
     このトラックを販売する、いすゞ自動車近畿のサービス部門担当者は、「荷台の架装状況など燃費の変動要因はあるが、2t車の燃費は8kmまでが常識。相当意識して乗っている」と話す。
     ディーゼルエンジンの常識を超える燃費はどのようにして達成されるのか。管理者によると、家電配送に携わる部隊はここ4年間に採用された比較的勤続年数の浅い、22歳から31歳までの若年者で構成されている。他社員のほとんどはいわゆる古株だ。
     同年代の管理者が説いてきたのは燃費や接客といった指導ではなく、「みんなで幸せになりたくないか。腰掛けのつもりなら、今のうちに辞めたほうがいい」「オレ一人ではできない。みんな助けてくれ」といった心構え。
     「クサイと言われても僕は『そうや、僕クサイんや』と言います。理念はクサイものですから」と管理者は飄々と話す。(西口訓生)

     
     
     
     
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