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物流ニュース
ユーピーアール 酒田社長 環境事業を積極展開
2009年1月7日
「パレットを通じ人々の生活を便利にすること」―。
ユーピーアール(東京都港区)が掲げる「事業原点」だ。山口県・宇部市で、木製パレットの製造業者としてスタートした同社。時代に合わせて事業領域を拡大、現在はパレット中心の物流機器レンタル事業が売り上げの6割を占める。2007年9月、「ウベパレットレンタルリーシング」から「ユーピーアール」に社名変更。「宇部」から「ユニバーサル」へ、変更後の社名の「U」にはそんな思いが込められている。
酒田社長
酒田義矢社長が専務に就任した95年、同社の中心事業はまだ木製パレットの製造販売だった。しかし、「材料費が85%を占め、作っても作っても儲からない」ため、事業の中心をレンタルに移すことを決めた。同氏は九八年に社長就任。「地球と人を尊重する会社」を企業理念に、レンタル事業の本格化、環境貢献事業の積極展開に心血を注いできた。
なぜ地球環境なのか。同社長は「レンタルとは『共同化』。つまり仕組み自体が地球にやさしいとも言える」と胸を張る。その一方で「パレットの中でも、特に当社が長年手がけてきた木製パレットは『環境破壊』のイメージがつきまとう」と指摘。「木は伐採しても資源の再生が可能。有限な石油を使うプラパレよりも環境に悪くはないはずだが、間違った印象が根付いてしまっている」。
そこで同社は、「印象を変えるため、地道な活動を行っている」。インドネシアでの植林事業や、PEFCマーク(計画的な植林によって作られた木材に与えられる認証)が付与された木材の利用など、原材料の調達にもこだわった。
事業拡大の際も環境の視点を重視。「カーシェアリング事業」(本紙既報)は、「環境負荷を低減する、大きな可能性を持つ仕組み」と判断し、6年前に新規事業として立ち上げた。「ビジネスになる確信があったから始めたが、ここで大きな利益を上げようとは考えていない。『カーシェアリングの普及が環境のためになる』という考えのもと、企業責任として取り組み始めた」。当初は投資費用も「持ち出し」だったが、「(スタッフの)粘り強い取り組み」が功を奏し、燃料価格高騰の流れもあり、引き合い件数は急激に増加している。
環境とは離れるが、PHS網を利用した位置情報サービス「なんつい(なんでも追跡システム)」も好調だ。パレットの紛失防止を目的に開発されたが、セキュリティ用途など領域を拡大している。同社長は「社会の変化に合わせて需要にこたえたい」と語る。
しかし、あくまでもパレットレンタルが本業。「本業から外れる事業はやらない。コア事業をしっかりやりながら、自分たちのできる範囲で新たな取り組みを進めていきたい」。
◎関連リンク→ ユーピーアール株式会社 -
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