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    鴻池運輸・テクノ研修センター もの造り集団の確立へ

    2012年3月28日

     
     
     

     「もの造り集団の確立へ」。鴻池運輸(鴻池忠彦社長、大阪市中央区)は昨年11月、鴻池テクノ研修センターを設立し、現場で教育できる人材の育成、品質レベルの統一化などを目的に動き出した。物流事業者が技術面の研修センターを起ち上げるのは全国でも珍しい。事業に携わってきた執行役員・同テクノ研修センター長の川崎恭嗣氏に話を聞いた。
     同社は、各業種の生産工程内における様々なソリューション事業を提供し、全事業の中で複合ソリューション事業は約70%の比率を占める。川崎氏は「現場に必要な技術ノウハウを教育できないと物づくりに携われない。また自社の強みであるソリューションを強みに生かせない」と強調し、「教育者を育て上げることで品質の統一化を図り、技術面を若手に引き継ぐことで企業の永続的な運営もできる」と、研修センターの開設に着手したという。


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     「日本のメーカーは設計部分に力を注ぎ、組み立て加工は海外へシフトする空洞化が進んでいる。また採用人員の削減や、団塊世代の退職などで技術面の低下が危惧されている」と捉え、技術面を向上させ生産請負のソリューションを強固にするのが狙い。
     研修センターでは、電気溶接などの実習室や電気実習用教室のほか、製造ライン・フォークリフトを使った実技習得が可能。設備機器を実際に操作し体験することで、実技スキルを身につけられる。
     具体的には、生産請負業務で求められる「固有技術」「保全技術」「工程管理技術」を習得し、自主教育体制の確立や安全と品質の改善、企業の競争力向上と新規業務獲得につなげていく。また、フォークリフトを使った製品の荷崩れ体験のほか、5月頃には新たに流通加工の研修も行い既存業務の精度向上も図っていく考え。
     体験型の研修センターについて「百聞は一見にしかず。聞くだけでなく実際に機材の構造を知ることで、より理解度が高まる」という。研修によって「第一線の人間が技術を持たないと現場全体のスキルが上がらず改善や提案が出来ない。技術や管理面の精度を上げることで目標値も上がる。固有の技術を持つことで仕事へのやりがいにもつながる」と、人材育成への取り組みに余念はない。
     「現場の原則を作り上げモデルを作り出し現場へ落とし込んでいく」とし、「現場レベルのバラツキをなくし、技術と知識の統一化を図ることで効率化にもなり品質と生産性も向上する。安全・品質で信頼される鴻池ブランドを築き上げたい」。
     また、研修センターを一般に開放して研修ビジネス事業としても活用できるが、「そこを目的としていない。社員1万9000人のレベルが向上するだけでも大きな強みになる」と笑みをこぼす。
     今後について、「人材の育成は長期ビジョンとして必須と考えている」とし、「それぞれの現場でオペレーションが違うのでeランニングやテキスト、DVDなどを作り自分らで学べる仕組みを築きたい。それを支える人づくり、社内講師を養成し自主教育体制を確立して技術集団という位置づけに全力で取り組む」と熱い思いを語る。
    ◎関連リンク→ 鴻池運輸株式会社

     
     
     
     

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