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    東邦運輸倉庫 黒川社長「平常時と非常時の切り替え重要」

    2012年5月31日

     
     
     

     仙台市に本社を置く東邦運輸倉庫の黒川久社長は、宮城県倉庫協会会長と押入れ産業社長も兼任している。地震発生時、黒川氏は都内におり、仙台に戻れたのは2日後の13日昼だった。倉庫協会は07年に宮城県と災害時支援協定を結び、宮城県沖地震を想定した協議を何度も重ね、災害時の対応システムはできていたはずだったが、14日の時点でも県からの連絡は何もなく、支援要請がきたのは震災4日後の15日になってからだった。
     「災害時の対応で県と決めていたのは、対策本部に物流専門家を駐在させて情報窓口にし、7ー8か所の県の施設を使って物流専門家を一人ずつ置き、物資の入出指導に当たることになっていた。しかし、施設はすべてご遺体の安置所となり、一か所も使えない状態だった」


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     黒川氏は14日、倉庫協会災害対策本部を自社内に設置。電力の復旧を待ち16日には倉庫協会事務所に本部を移した。「15日になって県から、支援物資をすべて倉庫協会で受けてほしいと要請があった。県内倉庫会社約90社のうち45社が津波被害を受け、営業倉庫の81%が被災していた。その中で4拠点400坪を確保し、品目ごとの受け入れ先とした」。
     本来、県側の窓口で情報を集約し、受け入れ情報を倉庫に連絡するはずだったが、県では鳴り止まない電話に各フロアでバラバラに対応したため、受け入れ倉庫の情報だけが流れて倉庫にも電話連絡とトラックの行列が集中した。同氏は「県から連絡がないものは本来受け入れられないが、トラック側も荷を下ろさなければ帰れない。入庫してすぐに出庫すると想定したが、出庫要請はほとんどなく、入庫10に対して出庫1の比率で荷物は膨れ上がり、保管坪数は3月末には7010坪、最大時9044坪になった」。
     出荷滞りの要因として、各自治体での在庫と県の在庫情報が一元化されていないことがある。「不公平を招く」として上部指示がないと出荷できないなど動きの悪さが挙げられている。今年2月末時点でも在庫は3万ケース近く残り、その約半分は消費期限切れ食料品だ。「廃棄品も県の依頼がなくては処分できない。年度内には在庫ゼロを目指している」。
     今回の災害で、倉庫協会が派遣した駐在員は「物流専門家」と呼ばれるようになった。しかし震災後、倉庫協会は宮城県に対し、数回にわたり改善提言を行っているが、答えは芳しくない。震災直後の4月1日から例年通りに人事異動がなされ、行政側には当時の被災経験を持つ人員はほぼいない。同氏は「平常時と非常時の切り替えが重要。非常時には平常時の制度や決まりを越えた動きができるようなシステムづくりとシミュレーションが大事。もう二度とこのようなことは起きてほしくない」と語る。

     
     
     
     
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