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    多層化に賛否両論 運賃低下にストップを

    2012年5月14日

     
     
     

     「下請け、孫請けならいいほうだ。3次、4次…6次以降の下請けが実運送を担う場合もある」という運送業界。運賃下落の要因の一つとして、多層構造の解消を求める声が大きい一方、「この業界は多層構造で成り立っている」と是認する声もある。業種は違うが建築業界では「丸投げ」を禁止している。管轄は同じ国交省だが、建築業界との差はどこにあるのだろうか。
     建築業界で工事の丸投げ(一括下請負)を禁止している理由は「発注者が建設業者に寄せた信頼を裏切る」「施工責任があいまいになるなど、労働条件や手抜き工事の悪化につながる」「中間搾取を目的に施工能力のない商業ブローカー的不良建設業者を招く」としている。運送業界が抱える問題と差はない。


     また、国交省では「再発防止を図る観点から、建設業法に基づく監督処分(営業停止)が行われる。注文者だけでなく、下請負人も処分の対象となる」という。「親会社、子会社間での下請負についても適用がある」というから、かなり厳しく下請けが禁止されている。
     しかし、運送業界では「下請け制限はない。行政としてもいまのところ、制限を設けようとする動きもない」(物流産業室)という。貨物課でも「実運送会社が荷物を運べなくなって、ほかの実運送会社に依頼するケースは当然に考えられ、業界の多層化について認識はある。一番下で実運送を担う運送会社の収入に影響が出ているという問題について、これだけで違反とし処分するのは難しい」としている。
     建設業界との差について聞くと「建設業界には詳しくない」と前置きした上で、「社会的に大きな問題があったのではないか」という。確かに手抜き工事などが多発すれば、社会的に大きな問題だが、運送業界でも運賃の中抜きが横行すれば「交通安全への支障」に成りかねない問題だろう。
     多層化が進むほど中抜きが多く発生し、実際に荷物を運ぶ実運送会社への運賃が少なくなる。しかし、「いまの運送業界は多層構造で成り立っている。これをなくした場合、受けるメリットより、失うデメリットが大きいのではないか」という運送事業者もいる。「直荷主を持たず、運送会社の下にしか入っていない会社も多い。これらをバラバラにして作り直すことは可能だろうか」と指摘する。
     しかし、「多層化の進行を法律でストップをかけなければ、運賃の低下を止められない」という声も大きい。国交省では「ワーキンググループでの議論の対象にはなっているが、具体的に進んでいると言うことではない」としている。

     
     
     
     

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