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    荷主からの増資要請拒否 中小・零細のリスク回避法

    2012年6月7日

     
     
     

     「一寸先は闇」と、まさに先行き不透明な時代を迎えたトラック業界。いつの時代もリスクはつきものだが、厳しい経営環境という難しい局面にある今、少し間違えば会社がなくなるというケースも少なくないだけに、リスクヘッジには細心の注意を払わなければならなくなった。とりわけ、資本力のない中小・零細企業は、リスクをいかに減らせるかが今後、生き残っていくための欠かせない取り組みだといえる。


     埼玉県のある中小事業者は建築資材を中心に輸送している。トラックは二十数台を保有しているが、荷主も安定企業で、毎年健全経営を行っている。
     同社の場合、直荷主がほとんどで仕事は毎月安定している。取引関係も良好のため、荷主の物流担当者から経営についてアドバイスを受けることがあるという。それは、増資による株式会社化だ。現在、資本金1000万円未満の有限会社である。荷主担当者は、取引会社にふさわしい会社にするためだとしている。
     しかし、社長はその言葉に素直に耳を傾けず、増資を拒んでいる。そこには、同社なりのリスクヘッジがある。
     同社と荷主の間はいま、下請法が適用される間柄にある。しかし、もし増資して資本金を1000万円超にして株式会社化してしまえば、その関係は終わってしまう。「下請法という〝守護神〟がいる今の姿が好都合だ」と、社長は話す。その上で、「荷主に対し下請法に違反しているといって訴えるということはないが、下請法の関係にあるということだけで、少しは抑止力が働く」とし、「うちのような下請け零細企業が生き残るためには、こうした取り組みが必要」と指摘している。
     一方、千葉県の事業者は、別会社の設立を進めている。同社は、大手の下請けを中心に雑貨輸送を手掛けている。同社社長によると、「コンプライアンス経営は重要だが、どうしても完全に守れていないのが実情」とこぼす。そのため、「死亡事故などを起こし、国交省の特別監査が入ると事業停止になりかねない。そうなると、うちのような中小企業はたちまち行き詰まってしまう」という。
     同社が別会社を作るのは、そうしたリスクから逃れるためだ。「本当は、法令順守を徹底した経営をすべきだろうが、現状では100%無理」と、逃げ道である別会社を作ることが決していいことではないと理解はしている。「事業停止という処分の可能性を感じながら何もしないのは、会社を危険に追いやっているだけ」と指摘する。その上で、「別会社を作るのは、会社を生き残らせるため、やむを得ない」と話している。

     
     
     
     
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