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    大手は手本を示すべき 下請けに法令順守できない運賃提示

    2012年7月27日

     
     
     

     運賃低下が続き、コンプライアンスが求められるなど、環境規制が強化される中にあって、コスト増に苦しむ事業者の姿が散見される。荷主の物流合理化の影響もあるが、それ以上に、同業である大手・中堅運送会社の姿勢に、中小・零細事業者から批判の声がでている。「業界事情も理解しており、本来、手本を示すべき大手・中堅が法令を考えないという姿勢はいかがなものか。自分のところだけ良ければいいという考えがある限り、業界はよくならない」と、ある中小運送事業者は嘆く。
     「まだまだ厳しい運賃相場が続いている」と話す千葉県の事業者。同社は、地場を中心に冷凍食品輸送を手掛ける中小事業者だ。冷凍車という特殊な車両を用いるため、昔はそれなりの運賃を収受できていたというが、参入が相次ぎ、激しい運賃競争の結果、今では一般雑貨同様の厳しい運賃相場を強いられているという。


     同社も過去に、1年間に3度もの一方的な値下げ要請を受け、仕事を断らざるを得なかったケースもあった。「景気が悪く、荷主も厳しい経営環境にあるなら、運賃の値下げもある程度は仕方がない」と納得はする。しかし、「利益どころか法令も守れないような運賃を提示してくる大手・中堅会社の姿勢は到底納得できない」と訴える。
     先日、以前に取引のあった同業大手から仕事の依頼があった。同社の主力は4トン冷凍車だが、仕事内容、運賃を聞いて即座に断ったという。
     相手が提示してきたのは1日2万4000円という運賃だった。4トン冷凍車にとって決して納得のできる運賃ではないが、仕事内容によっては請けられないものでもなかった。
     しかし、その仕事は地場で1日に3便をこなすという配送だった。1便にかかる時間は約5時間で、3便をこなすと15時間を費やすことになる。労働時間の長い仕事は、ドライバーがまず嫌がる。仮にやってくれるドライバーがいても、提示された運賃では、それに見合う賃金が支払えない。
     「景気が悪いため仕事が薄く、打診があれば請けたいが、こんな仕事ではどうにも手を出せない」と同社長はこぼす。結局、交渉の余地もないため、その仕事をあきらめたが、仕事を請けられなかったことを嘆くのではなく、そんな仕事を打診してきた相手に憤っている。
     「相手は業界では名前の通った立派な会社。手本を示すべき会社のはずだが、法令を守れないと分かっている仕事を平気で押し付けてくるという姿勢はいかがなものか。下請けも同様に法令を守らなければならない。このやり方は明らかに矛盾している」と指摘する。
     労基署の職員が同社の労働時間を指摘してきた際、こうした現状を説明したが、職員は「そんな仕事は断ってください」という至極当然の回答だった。「やめられるものならとっくにやめている」と話すが、思うように法令順守ができない中での会社経営に、「どうやって進んでいくべきか、目の前は真っ暗」と不安をのぞかせている。
     「受ける我々も確かに悪いが、そうした運賃を提示する大手・中堅の姿勢にも問題がある。大手・中堅がまず、元請けとして荷主としっかりとした交渉を行い、下請けへ流すことを前提とした適正運賃を収受してほしい」と求めている。

     
     
     
     
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