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    増える特積み申請 「市街化調整区域の開発許可」が魅力

    2012年8月8日

     
     
     

     「特積み」の認可申請を検討する一般貨物事業者が増えている。規制緩和で事業免許から許可制へ、さらに営業区域も撤廃されたことで特積みのメリットは薄れているのが実情だが、一般貨物の事業者が魅力に感じているのは特積み事業者の特権ともいえる「市街化調整区域における開発許可」。運行系統が複数の運輸局にまたがる認可申請が国交大臣の権限となるのに対し、対象となる双方の事業所が同じ運輸局の管内に存在する場合は認可の権限が運輸局長に委ねられるため、関係者の間では「ずっと現実的で、しかも短期間で認められる」との声が聞かれる。


     市街化調整区域に営業所などの物流施設を構えたいというのは、トラック事業者の長年の願い。近年はトレーラハウスを活用した営業所申請や、平成17年に施行した物流総合効率化法で状況に若干の変化が見られるようになったとの指摘があるものの、地方自治体ごとの判断基準にバラつきがあるうえ、「物流総合効率化法を生かせるのは大手でなければ難しい」という本音が運輸行政マンの間からも聞かれる。
     こうした現状を踏まえ、運送現場では「住居」として建てた家屋を営業所として使用する苦肉の策も散見されるが、多くのケースでは調整区域に車庫を用意するのと同時に、周辺のアパートなどを賃借して営業所とすることで対応しているのが実情。一方、複数の拠点を設置するなど今後の事業拡大を見据え、最適な事業所立地の実現を構想する事業者のなかには、特積み認可の申請に着手もしくは、検討に乗り出す例が増えているという。
     なかでも、地方運輸局長に認可権限が委任されている「同一局内の運行系統」または、二つの運輸局にまたがる場合でも「運行系統の長さが100km未満」なら同じ扱いとなるために、「(大臣扱いとは違って)認められやすい」との事情が、一般貨物事業者の関心をあおる一因ともなっている。数年前に特積みの認可を受けた、日用品を扱う運送会社の経営者は、「それまでは宅配事業の話で無関係だと思っていたが、バラまきのようなウチの仕事でも認められた」という。
     積み下ろし施設や運行回数(原則として1日1便以上)などの条件をクリアすることは当然として、例えば本社営業所しか持たない一般貨物事業者が同一運輸局の管内に営業所を新設する場合、「運輸局で事業計画の変更(特積み)を手続きするのと並行して、地方自治体には開発許可を申請する流れになる」と運輸当局の担当官。
     そのうえで「関係法令(都市計画法など)に抵触していないかなどをチェックするが、(標準処理期間の定めによれば書類を受理してから)特に問題がなければ1か月、長くても3か月で認可されるのではないか」と説明する。
     関係者の間で「ほとんど不可能」とも言われる大臣権限による認可に比べれば驚くばかりの現状で、ある運輸担当官は「先のバス事故に関連して一部で事業の更新制という話も聞かれるが、仮に現実となれば不適正な状態の事業者は許可が更新できなくなる可能性も出てくる。(調整区域の問題で)車庫と事務所が離れた現在の管理体制に問題がないとも言えず、むしろ(特積みの申請に)チャレンジしてもらってもいいのではないか」と指摘。ただ、「行政処分の際にチェック項目が増えるのも確かで、そのことも頭に入れておいてもらう必要はある」と補足する。
    ■平成14年から盛り返し
     事業免許が許可制へと変わった平成2年から同17年まで、年間で1000件以上の新規参入が続いた「一般貨物」とは裏腹に、昭和50年代から減少の一途を歩んできた「特積み」。ところが、平成14年から盛り返しの方向に転じており、昨年3月末の時点では規制緩和に揺れた当時のレベルに回復しているのが実情だ。
     国交省のデータによれば、規制緩和の直前(同元年)に全国で3万5888社だった一般貨物は、ピーク時の同19年には5万7672社にまで膨張。その後は、厳しい経営環境を背景に微減の状況にある。
     一方、昭和50年に379社だった特積みは減少を続け、規制緩和となった同2年には300社を割った。その後、なかなか減少傾向に歯止めが掛からなかったものの、同13年の268社を底に増加へと転じており、ここ3年間ほどは300社前後で一進一退。「今年度に入って2事業者から(特積みへの)事業計画の変更申請が出ている」(ある地方運輸支局の専門官)と、分母こそ小さいものの「倍増」の様相を見せている地域もあるようだ。

     
     
     
     
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