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    厳しくすれば辞めていく コンプラ経営と人材不足のジレンマ

    2012年9月24日

     
     
     

     昔なら「気をつけろ」という注意で済ませられたものが、今は会社の存続にも関わるため、それでは済ませられなくなった。罰則や監査体制の強化など、社会的規制の強化が進み、トラック業界は労務管理の徹底が求められるようになった。しかし、その一方でドライバーを採用しにくい状況がある。「厳しくしたいが会社を辞められると困る」という本音が見え隠れし、そのジレンマに悩む事業者の姿が伝わってくる。


     「乗務禁止を告げたら会社に来なくなってしまった」とこぼすのは千葉県の事業者。
     同社に勤める30代の男性ドライバーは、決して優秀とはいえないが、素行に問題があるわけでもなく、日々仕事をこなしていた。求人を出しても反応が薄く、特に若年者の雇用は難しい環境にあるトラック業界にあって、30代のドライバーは会社にとって大きな戦力ともいえるので、このドライバーは貴重な人材だった。
     ある日、社長が点呼を行ったときのことだ。早朝、時間通りに出社してきたドライバーだったが、眠そうな顔であくびを連発。理由を問いただすと、前日パチンコに行って帰宅が遅くなってしまった。家には、たまっていたビデオがあり、それを見ていたので睡眠時間は30分くらいだったと、平然と話したのだ。
     社長は、その日の乗務を禁じ、帰宅を促した。「居眠り運転で事故でも起こされたら会社はひとたまりもない」という最もな理由で、乗務禁止は至極当然の対応だといえる。しかし、出社扱いではなく、欠勤扱いになることにドライバーは納得しなかった。会社の置かれた現状を説明しても理解は得られず、結局、翌日から出社しなくなって、後日、電話で退社する旨を伝えてきた。
     「ほとんど寝ていないドライバーに運転させるのは自殺行為であり、もし事故など起こせば、会社は存続できない」という社長は、「それを理解してもらえなかったことが残念だ」とこぼす。
     ただ、至極当然の行為だったが、その一方で貴重な人材を失ったことは大きな痛手となった。「一事が万事で、そうした姿勢のドライバーは、そのうち会社に甚大な被害を与える」と、納得はするものの、「もし乗務禁止を告げずに仕事をさせていたらと思う部分もある」という。
     社長自身も昔は寝ないで仕事をすることもあったことを考えると、乗務禁止にしたことが果たして本当に良かったのかと考える自分もいるのだと、本音を漏らす。
     ただ、「昔は『気をつけろ』で済んでいたが、コンプライアンスが求められる今の時代はそうはいかない。それに、乗務禁止を告げただけで辞めるドライバーは、それだけの人間だ」と思い返し、「新たないい人材を採用していきたい」と気を取り直している。

     
     
     
     
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