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物流ニュース
事業許可にランク付け? 運送経営者らの提言 「なぜ一生モノ?」
2023年8月28日
「事業許可を、例えば甲・乙・丙のように色付けし、扱える業務の内容に制限を設ければ多層構造も改善する」と、雑貨輸送を手掛ける兵庫県のトラック経営者。一方、かねて貨物運送許可の更新制を唱えてきた岡山県の社長は「うちは産業廃棄物の収集・運搬もやっているが、ずっと以前から更新制になっている」と話し、貸切バス事業を手掛ける同県の別の経営者も「数年前から更新制になっており、取得している星の数(安全性評価認定制度)で事業の幅に差が出るような仕組みもある」と明かすなど、事業の健全化に向けてトラック運送の許可の在り方を問う声が聞かれだしている。
●なぜ一生モノ?
産廃も手掛ける前出の社長は「運転免許でさえ更新制。重大事故が続いたのを機に貸切バスの許可は更新制になったと聞くが、むしろ当たり前のこと。免許が許可に変わって30年以上たつが、いまだに一生モノのイメージが続くトラックは異様」と断じる。
かつて運輸行政官に「自動車は基本的に運転してはいけないもので、その禁止行為を行政が解除(許可)するのが運転免許」と聞いたらしい。その言葉を思い出しながら「有償運送も同じ。禁止行為を解除する手続きを取った許可権者として、運輸当局による定期的な事後チェックは欠かせないはず。それが適正化機関の巡回指導というなら甘い」と指摘する。
2017年4月から事業許可が更新制(5年)に移行した貸切バスも兼業する経営者は、同事業に導入されている安全性評価認定制度(1つ星~3つ星)を持ち出す。「営業所がある都道府県(出発または到着地)というのが通常の営業区域だが、星を取得すれば臨時営業区域(訪日外国人旅行者向けの特例)の設定が可能になり、より幅を広げた業務ができる」と説明する。
●丙は運ぶだけ
かつてトラック事業にも営業区域が存在したが、20年前に全廃されている。「発着地を制限する営業区域は輸送効率を下げるが、安全性に優れた事業者に限って業務範囲を広げる制度には賛成だ。認定機関には厳正な審査を求めなければ危ない話になるが、事業許可を色付けするような仕組みがトラックにも必要ではないか」と話す。
一方、甲・乙・丙など事業許可のランク付けを提言する冒頭の社長。「例えば真荷主や物流子会社、利用運送事業者、トラック事業者などすべての立場と取引できるのが甲種許可。乙種の場合は元請けになることはできないが、同業者に傭車を依頼することは可能。丙種は同業他社に委託する取扱事業が認められず、自社トラックを使った運送行為しかできない…そんな感じにすれば、いまの異常な多層構造は大きく変化するのではないか」
数千万円で免許を売り買いしていた当時に存在したトラック事業の既得権は消滅し、手続きさえ整えば始められる許可制に規制緩和されてからの33年間で着実に進行したのは事業者の零細化と、いまも相次ぐ新規参入による多層化構造。「運転免許でさえ更新制なのに、許可に格下げされたトラック運送はなぜ一生モノなのか」という産廃社長の言葉が耳に残る。
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バスも
名古屋走りするプロドライバーは丙
甲は分類した方が良い危険物みたいに人身や飲酒運転したら毒劇マークもつけるべき
その前に給料あげろ
大手にしか利点がない。
実運送を担っている会社を上流に入れないで搾取する仕組みですね。
こんなアホ規制よりも、逆に下請け規制の方がよろしいと思いますがね。
下請けへの重複依頼制限や、標準運賃以下で実運送会社へ依頼することを禁止して、大手運送会社も利益が欲しいなら実運送を積極的に行うようにすれ。
下請けに投げてるだけだから重大事故を起こすリスクもないのに、無事故無違反でGマークだとか笑えるわ
更新制にする前に運賃のダンピング廃止、特に利用運送を介しての多重下請け構造に制限を掛けるべき。3次以下の構造は禁止、10%以上の手数料徴収を禁止にしたら実運送のかいしゃの経営は改善される。実運送の会社よりピンハネだけの会社が儲かるシステムは異常やと思う。
結局は白ナンバーを認めないのは利権保護なんだよね
そこまでしてまでやるような魅力のある業界だとでも思っているのでしょうか。
この記事の通り。きちんと運行管理してない会社は退場するべき
トラブルの多い会社やドライバーは排除しないと駄目ですね。
更新制を唱える前に白ナンバーをなんとかしたほうが?国は24年問題で個人は関係無いとはっきり講師が話しました。さらなる白ナンバー営業の助長に!! 緑の存在意義が。