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    荷主との距離感 信頼関係が壊れ裁判へ

    2014年8月26日

     
     
     

     運送事業者にとって、荷主の担当者と信頼関係を構築するのは仕事を継続する上で欠かせない取り組みである。それだけにコミュニケーションは不可欠で、接待という名の親睦が日夜繰り広げられている。仕事を円滑に遂行する上で接待は有効な手段ともいえるが、そこには当然のことだがリスクも伴う。荷主の担当者がオーナーでなく、サラリーマンだった場合はリスクがさらに高まる。担当者が交代する時に引き継ぎが生じるが、やり方を間違えれば事業存続の危機さえ招きかねない。荷主の担当者と深い関係を築いたことで結果的に仕事を失った事業者の事例からは、程良い距離感の必要性が感じられる。
     「荷主の担当者とは仲が良く、まさかこんな結果に陥るとは思いもよらなかった」と振り返るのは埼玉県の事業者。同社は長年に渡って荷主と取引しており、しっかりと信頼関係を構築しているはずだった。担当者との関係も良好で、定期的に会食をする間柄。仕事は順調だったが、荷主側の人事異動で状況は一変する。前任の担当者とは違い、後任の担当者は同社に対し無理難題を言ってくるようになった。前任の担当者に相談するも権限はすでに後任の担当者が持っており、どうすることもできなかった。


     しばらくして、後任担当者の影に同業他社の顔がちらほら見えてきた。後でわかったことだが、後任担当者は前任担当者と同社社長が仲良くしているのを快く思っていなかった。そのため、自分の息のかかった運送事業者を連れ、同社を除外しようとしていたのだ。その後も無理難題は続き、「これ以上付き合いを続けていたら経営が続けられない」と感じ、自ら身を引いたという。同社社長は、「仕事をする上でコミュニケーションは大事だが、担当者と仲良くなりすぎるのも問題」と話している。
     一方、千葉県の事業者は、荷主の物流で絶対的な立場だった担当者としっかりと信頼関係を構築し、取引を続けていた。接待は当然のこと、盆暮れの贈り物なども欠かさず、関係はどんどん深まっていった。その結果、荷主の事業拡大とともに、同社も順調に業績を伸ばしていった。同社にとって、荷主の担当者は恩人だった。しかし、担当者によって同社は仕事を失うどころか裁判に巻き込まれてしまう。
     その荷主と取引するには実績が必要で、一見で仕事はできないこともあり、担当者が新しい運送会社に仕事を依頼することになり、同社は間に入って取引をすることになった。といっても、実際の仕事はしないので運賃のやり取りだけを同社が担った格好だった。同社社長は、荷主からもらった手形を現金化し、その額500万円を指示されるままに担当者に渡したという。
     実は、担当者は架空の仕事を作り、同社から500万円を受け取ると遊興費に充てていたのだ。
     会社の内部監査で発覚し、担当者は当然、解雇となる。加えて、その影響は同社へも飛び火する。同社が担当者とグルになって現金を奪ったという疑いが掛ったのだ。
     「恩人の言うままに従ったまでで、架空の仕事かどうかもわからなかった」とこぼす同社長だが、荷主は言い分に理解を示すこともなく、同社に損害賠償を請求。争いは法廷へと持ち込まれることとなった。当然、取引も終了した。「知らなかったとはいえ、結果的に横領に加担してしまった。何とも悔しい限り」と嘆く同社長は現在、身の潔白を証明するため奔走している。
     同社長は、「仕事をする上で、荷主の担当者と仲良くなることは我々事業者にとって重要なこと」としながらも、「客観的に判断できるよう、ある程度の距離感を保つことも大切」と話している。

     
     
     
     
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