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    どこまで届いている?現場の叫び

    2014年12月19日

     
     
     

     現場ドライバーの〝叫び〟が所属事業所、さらに関係行政にどこまで届いているのだろうか。トラックの関係する重大事故が頻発する現状を受け、全国各地で対策セミナーなどが重ねられているが、悲惨な事故を抑止するヒントはもっと身近なところにある。
     その一つがハンドルの担い手であるドライバーの生の声だ。高速道路のSAや広い駐車スペースを構えた国道沿いのコンビニで休憩していたドライバーから漏れ聞こえる「ほとんど自宅に戻れなくなった」「危険を覚悟して違法駐車している」「『無理だ』と主張しても走らされる」といった切実な声からは、重大事故を抑止するための喫緊の課題が見える。  


     「手が足りないから配車の担当者までトラックに乗るようになっている」という神戸ナンバーの大型ドライバー(男性61歳)は、「この前、自宅に戻ったのはいつだったか」と疲れた表情で話し始めた。今年の初めまでは近畿圏内の運行が主業務だったというが、同僚のドライバーが退職したことで関東便の仕事に回ることになったらしい。「収入も増えるし、まぁいいか…と軽く考えていた」。
     しかし、週2回のはずだった運行が夏ごろから3便になった。「ドライバーが足りないという理由で、いまは日曜日の夜に出発して月曜日の朝に関東に到着。帰り荷を積んで火曜日の朝には関西へ戻り、その日のうちに地場の仕事を一つこなしてから夜には関東便に乗務。水曜日の朝に関東に着いて木曜日には関西へ戻り、それから地場の横持ち仕事…そんなサイクルだから、家に帰るタイミングが見つからない」と話す。
     「1年のうちで最も交通量が少ないという理由らしいが、毎年10月は東名高速で集中工事があるために中央道へ迂回する車両が一気に増える。どこのSAも満杯で、休むにもトラックを止める場所がないから非常事態みたいだ」と説明する姫路ナンバーの4トンユニック車に乗るドライバー(同53歳)。ただ、全国を走ってきたというハンドル歴35年のドライバーだけに「新東名に回ればガラガラなのに、東名が工事なら中央道…とバカの一つ覚え。もっとも、新東名まで混んだらイヤだから他人に教えたくはないけどね」と、常に自分の寝床となるポイントを意識している。
     とはいえ満杯のSAに出くわすことも多いようで、「そんなときは高速バスの停留所や、SAから本線へ戻る合流ゾーンに止める。そのうちパトカーが起こしに来るし、危ないこともわかっているが仕方がない」と開き直りのムード。最近になって新車を与えられたらしく、「古いトラックに比べたら振動は雲泥の差。でも家で寝るようなわけにはいかず、1時間ごとに目が覚めるという連続で疲れは取れない」とツラそうだ。
     岡山ナンバーの平ボディー車に乗るドライバー(同48歳)も過酷な労働環境に直面している。「静岡県で荷物を下ろし、空車の場合は高速を使えないから一般国道で戻っていると会社から電話で『帰り次第、大阪まで走ってくれ』。大阪までの仕事を終えて再び、カラ荷で一般道を戻っていると『悪いが帰ってきたら、愛知県まで走ってもらわないといけなくなった』との電話。配車マンからは『どこを探してもトラックが見つからない』と説明された」という。
     「体がもたない」と愛知行きには反発したらしいが、配車担当は「オマエが走らなかったら会社の立場がなくなる」と応じなかった。「折り返しの連続で仕事をさせるなら、せめて帰りが空車でも高速の使用を認めてほしい…そう主張したが、『そんなことは社長に直談判してくれ』と切り捨てられた」というドライバーも、「人が足りないなら募集するように社長に頼んでくれ」と応戦したようだが、いまも高速利用のルールに変更はないという。
    ◇  ◇
     「週に3回の長距離は年齢的にきつい。目も怪しくなっており、最近は運転中に怖さを感じることもある」と神戸ナンバーのドライバー。姫路ナンバーのドライバーは「命の危険を感じることが増えている」と高速道路の異常ぶりを口にする。「走る前から(疲れて)無理と申し出ているドライバーをトラックに乗せてもいいのか」と岡山のドライバーもぶちまけるが、低迷する運賃のなかで顕著になっている人手不足が、高齢化するトラックドライバーの働く環境を一段と劣悪なものにすると同時に、重大事故の発生リスクを高めていることは否めない。  

     
     
     
     
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