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    高齢ドライバーの活用 豊富な経験の一方、安全面に不安

    2015年6月10日

     
     
     

     トラックドライバーの高齢化が進んでいる。総務省によると、60歳以上の就労者は平成15年に8.2%だったが、平成25年は15%となった。一方で20歳代の就労者は平成15年に27.2%だったが、平成25年には23%にまで落ち込んでいる。
     ドライバー不足が叫ばれている現在、不足しているドライバーを女性や高齢者でカバーするという意見も多く出ている。しかし、高齢者の場合、いくら経験が豊富といっても交通事故を発生させる可能性は高くなる。大阪府警によると、交通事故全体が減少している中、65歳以上の高齢ドライバーによる事故は10年前の1.3倍になっており、「高齢になると認知・判断に遅れと不正確さが見られる」としている。
     一方で「高齢ドライバーの方が安全」という意見もある。大阪府内の運送事業者は「若いドライバーより高齢者の方が安全運転をしてくれる。若いと休日に徹夜で遊んで、そのまま仕事に出るということも平気でやるが、高齢者は体調管理をしっかりしている。無茶な運転をしないので安心」という。しかし、「あまりに高齢だと、荷下ろし先の荷主が不安にならないか心配」「体調管理が難しい。運転中に何かあってからでは遅い」という声があるのも事実だ。


     高齢ドライバー向けのさまざまなサポートも出てきている。日本自動車工業会では2008年に高齢ドライバーが健康で安全な運転を続けていくための交通安全教育プログラム「いきいき運転講座」を開発し、ホームページ上で無償で公開している。
     トヨタでは「運転に必要な『認知・判断・操作』能力は、加齢とともに低下する。高齢ドライバーが原因の事故の約半数は交差点、あるいは交差点付近で発生し、事故原因の半数が安全不確認。路車間通信や車車間通信を用いて、見通しの悪い場所から近づくクルマや人の情報をドライバーに提供するインフラ協調型安全運転支援システムが、事故防止への有効な手段になる」とし、高齢ドライバーを対象にした技術開発に取り組んでいる。
     高齢ドライバーをサポートする教育や技術は今後、ますます拡大していくと思われる。しかし、活用にはメリット・デメリットがあることは事実。運送事業者はこの部分をきちんと理解し、効果的な高齢ドライバーの活用が求められる。

     
     
     
     

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