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    元請けと下請けの関係 責任の所在あいまいのまま

    2016年2月22日

     
     
     

     社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会(家田仁部会長、東京大学・政策研究大学院大学教授)と交通政策審議会交通体系分科会物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学学長)の合同会議(既報)で示された、今後の物流政策の基本的な方向性等についての答申案には、規制緩和の産物として「元請け・下請け関係の多層化の進行」が明記された。貨物運送事業者は「輸送の安全が最も重要であることを自覚して、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない(貨物運送事業法第15条)」のであれば、当然、一つの仕事が完結するまで、関与する全ての事業者がそれぞれの仕事に責任を持つ必要がある。
     「荷主から『元請け責任』ということを言われているし、自分としても下請けの飯を食わせていかないといけないという気持ちでいる」と話すのは、都内で3PL事業を行うA社社長。荷主から直で仕事を受けているが、地方向けの荷物は路線事業者に任せている。「路線事業者は値上げ要求に強気。ドライバー不足や車両の確保が困難であることを理由に、『値上げしなければ全国配送はできない』とはっきり言ってくる。やっと荷主が値上げしてくれても、下請けの要望もあって利益はさほど変わらない」という。


     大手元請け事業者の物流担当は、元請け責任についてどのように考えるのか。「書面上は元請けと1次下請けとの契約であっても、一度請け負った仕事が完了するまでは元請けの責任になる。実運送事業者が事故を起こせば当然、元請けも責任を取らなければならない」という認識だ。
     同社は昨年、運賃の値上げに踏み切った。「仕事が下に下りれば下りるほど安い運賃で運行している実態は、荷主というよりも業界内の問題。自社の経営を考えて、輸送の安全を担保できないほどの運賃ならば仕事を受けない、ということをしていかないといけない。今の運賃では安全に輸送できないという声があれば、しかるべき対応を考える」とも話している。
     その大手元請け事業者から定期の仕事を請負っているB社社長は「正直に言って運賃の値上げはない」ともらす。安定した物量は望めるものの、「『値上げした』というが、それが『適正運賃』と言えるのか。今、適正運賃の設定を巡って、営業所の所長と運賃交渉をしているところ。これでだめなら全部の仕事を切られてもいいという覚悟」。現場の実情は元請けに伝わっていないようだ。
     「荷主との協力体制を構築するためには、物流事業者が提案力をつける必要がある」と国交省自動車局貨物課の担当者はいう。「単に運賃の引き下げによるコスト削減ではなく、物流トータルでのコスト削減という視点を持っていただけるようになれば」と話している。

     
     
     
     
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