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    物流連 工藤泰三会長 「物流現場のあるべき姿」第2回

    2016年11月9日

     
     
     

     ―物流連と経団連の相互交流は?
     どうすれば生産性の高い物流を構築できるか話し始めている。「ドライバーの手荷役を減らすために、ユニットロードを推進させるにはどうすべきか」というテーマで意見交換を行い、経団連の中でもドライバー不足の議論を始めている。さらに行政も巻き込み、物流の生産性を考慮した街づくりも提言している。
     ―トラック運送業界では、行政も入って長時間労働や取引環境の改善を図る取り組みをするも、なかなか踏み込んだ話ができていないという意見もがあるが
     今まではそうだったかもしれないが、今後はさらに需給のバランスが変わってくる。トラックドライバーが減少する一方で、大型トレーラなどの需要は増加しているので、間違いなく需給が逼迫してくる。運賃が上がる土壌はあるが、単純に運賃を上げてしまうと日本の産業自体の競争力がなくなるので、それは避けたい。併せて生産性を上げることでドライバーの給料を上げるというやり方をしなければいけない。それが出来るチャンスがやっと来た。


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     ―モーダルシフトは今後も進んでいくか
     鉄道は難しい面があるが、船は大型新造船の就航が継続しておりまだまだ余力がある。ただし、船には納期の観点から「20時間ルール」という考え方があり、どのルートでも20時間の航路の後、トラックで市場などに入れる。港からの道路が整備されているかどうかで市場に間に合うかが決まるので、行政の力も必要。
     ―日系物流企業の海外ビジネスでの勝機は?
     アジア各国では、日本の産業構造に近いものをコピーしていて、日系物流企業はそのまま生かしやすい。ヨーロッパが伸び悩んでいる今、元気なアジア圏に近いということは日本の物流業者にとって良いチャンス。
     ―ハブ港というとシンガポールや釜山。日本の港の解決策は?
     日本は地理的には難しい。日本はアジア域内の輸出入貨物が多いので、大きな船ではなく中型の船で寄港頻度を上げれば良い。つまり、お客にとって頻度や利便性が高いなどのサービスを作る方に注力し、量にはこだわらない。量がいくらあっても儲からなければ赤字が増えるだけ。くどいようだが、人口減少がチャンス。これからの物流業界は間違いなく着目される業界になる。トラック運送事業者も知恵を出したところが勝つ。
     ―オリンピックが4年後に控えているが、物流面の課題は?
     大きな資材が東京港沿岸に入ってくるなど、後に住宅にする選手村の建築資材の運搬は喫緊の課題。
     ―近未来の物流業界はどうなる?
     国際物流という観点からは、単一業種しかできない物流企業は難しい。すべて自分でやるということではなく、トータルで提案して引き受けられる事業者。
     サービスの対象は世界中でないといけない。自らは船を持たないが、船のスペースは確保できるなど。船会社もトラック・倉庫を持たずとも、競争力を持つトラック事業者仲間と提携するなどの対応が必要となる。まずは情報を持って、自分で出来ない分野は提携先を作って協調していく力を持たなければならない。帰り荷を確保して生産性を上げるためにも情報の共有は要になる。
     ―情報の具体的な活用とは?
     IoTをうまく利用していくことは必須。トラックの運転もIoTの情報で燃費の良い運転をアドバイスするソフトがある。船も同じで、IoTの情報で潮流に逆らわずに進める航路や速度の微妙な調整を行い、情報を活用することで燃費は大きく変わる。トラック事業者も最新の情報を収集するための投資は必要になるだろう。
     物流はこれから、けたたましく変わると思う。私たち物流業者は荷物(需要)を作れない。変わり身が早くなければ置いていかれてしまう。お客様に密着し、早く情報を取った方が勝ち。キーワードはまず〝提案〟。そして、提案するためのIoTに絡む〝情報〟だろう。(おわり)
    工藤泰三(くどう・やすみ)氏略歴=昭和50年慶應義塾大学経済学部卒、日本郵船入社。平成27年代表取締役会長に就任。同年物流連会長、日本船主協会会長。大分県出身、63歳。
    ◎関連リンク→ 一般社団法人日本物流団体連合会

     
     
     
     
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