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    SAS調査「重症」が6.6% 安全風土醸成が不可欠

    2017年8月9日

     
     
     

     健康問題を抱える企業の多い運送業で、少しずつ実施が増えている睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査。睡眠障害があれば、仕事の効率が40%ダウンし、眠気による損失は年間3兆5000億円という試算が発表されているように、SAS対策は社員の命を守ることだけでなく、企業の生産性向上にも直結する。また健康起因事故は今後、高齢化の進展とともに急増し、社会全体の懸案事項として無視できないとされている。
     運輸関係者の安全と健康を支援するヘルスケアネットワーク(OCHIS)は、平成28年度SAS検査の実績調査概要を発表した。作本貞子副理事長は「検査結果に大きな変動はなかったが、昨年度の検査ではタクシー業界の対象者が初めて1000人を超え、SAS検査への関心の高さがうかがえる」と説明する。
     近年では、運転中の急病で事故を起こすドライバーが増えたことで、交通事故とSASの因果関係についての認知度も高まってきている。高血圧や動脈硬化で、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすとして、SAS検査の必要性が高まっているようだ。


     今回、発表した資料(平成28年度)によると、トラック関係者のSAS検査実施者数は、9806人(男性9502人、女性304人)で、実施者の平均年齢は45.8歳。パルスオキシメータの結果によると、実施者のうち3514人(35.8%)が精密検査の対象に。またD判定者のうち、重症とされるD+判定者は、651人で全体の6.6%だった。
     精密検査を受けた940人のうち、821人(87.3%)がSASの確定診断を受けており、CPAPでの治療が必要と診断されたのは、940人のうち333人(35.4%)。また、体格指数(BMI)が25以上の肥満者の割合は、9781人(全対象者から年代不明者25人を除く)中、3217人(32.9%)だった。40代以上の肥満者では、各年代の要精密検査率は50%を上回った。D判定者の割合はBMI25未満が24.8%、BMI25〜30が53.3%と非肥満者の2倍となり、BMI30以上では74.6%と急増するうえに、D+判定者の割合も高い。
     さらに、昼間の眠りに関する自覚症状からSASの可能性を調べる「ESSテスト」と、D判定者数の関係性のデータでは、自覚症状の有無にかかわらず35〜38%の割合で有所見がみられた。スクリーニング検査を実施した人の92%が眠りの自覚症状が低い人であったことから、SASの可能性は本人の自覚症状では確定できないことが考えられる。
     今回の調査では、初めてESSテストの回答点数とSAS判定の割合のデータも発表。11点以上が「自己認識によるSASの有所見」と見なされるが、10点であっても41%の有所見率という結果が得られた。
     作本副理事長は「SASは大動脈瘤や糖尿病、めまい、軽度認知障害などを併発することが明らかになっている。SASを理解し、予防対策に取り組んでいただきたい」と話した。
     健康管理への意識不足や、健康診断の有所見者への対応の不徹底が顕在化した結果が、近年の健康起因事故急増の背景といえる。本当に怖いのはSASと知りながら放置すること。ドライバーの体調把握を徹底し、小さな異変をも見過ごさない安全風土の醸成が不可欠だ。

     
     
     
     
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