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    HP 求人用にリニューアル、悪質な書き込み対策にも

    2017年10月13日

     
     
     

     ドライバーがいなければ話にならないトラック運送事業にとって、全産業的に労働力が不足している現在の状況は深刻だ。高齢化した従業員に依存しなければならない実運送の現場は、裏を返せば、そう遠くない将来にドライバーがいなくなって業務を縮小、最悪の場合は廃業の選択肢までが見えてくる。こうした厳しい現状を乗り切るために業界各社は求人活動にも積極的に取り組んでおり、同業のライバル会社、さらには他産業にも負けない人材確保のツールとするためのホームページの刷新や、フェイスブックなどのSNSをうまく活用するケースも増えている。
     トラック運送業界でもここ数年、それまで会社案内や営業目的で開設していたHPを求職者向けの内容にリニューアルするケースが目立つようになった。ドライバー募集の情報を見た面接希望者がスマートフォンなどを使い、その会社の内容を、応募する前にチェックするというパターンが増えているためで、充実したHPに変更するのと同時に、あふれる情報のなかからインターネット検索で自社HPが少しでもヒットされやすくなるような工夫(SEO対策など)も凝らしている。
     中国・四国エリアにおける高速道路のハブ拠点となることで近年、大手企業の物流施設が相次いで進出する岡山県。インターネット通販大手のアマゾンジャパンも今春、中国・四国エリアで初となる物流センターを稼働させているが、そうした事業所で発生する数千人規模の新たな雇用は、一方で労働力確保に苦しむトラック運送業界をさらに悩ませる存在ともなる。今年5月の有効求人倍率は全国平均(1.36)を上回る1.71と全国9位だが、例に漏れず「とにかく人が来ない」というのが共通した認識だ。


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     「運送会社」「岡山県」の二つのキーワードで検索(7月12日の時点)してみると、トップに表示されたのは岡田商運(岡田好美社長、岡山市中区)。リクルート向けに仕上げられたHPは2年前、現在地へ本社を移転・新築したタイミングでリニューアルした。「先輩ドライバーの声や社会貢献活動も盛り込んでいるが、小学校で独自開催している交通安全教室の様子などが多く見られているようだ」(岡田利生専務)という。
     ネット検索で表示される順位は時間とともに変化するが、同じくトップページの2番目に出てきたのが凪物流(同区)。6月24日に新本社を稼働させたばかりだが、同社も移転・新築を機にHPをリニューアルしており、「8月中には完成する見込み」と凪秀樹社長。経営陣に加え、各部署の担当者のコメントも写真や動画付きで掲載するなどリクルーティングを重視しており、「同月下旬にはテレビCMの放映も始める」と攻めの姿勢だ。
     一方、岡山だけでなく、営業所を構える「広島県」に検索キーワードを変えても双方でトップページに登場するのが西大寺運送(同東区)だ。現在のHPに刷新したのは一昨年の秋ごろというが、「採用関連のページを前のほうに掲載するなど求人の効果を一番に考えた」と入倉栄作社長。常に最新の状態に更新しておくことが大切だが、そのために「すべての内勤社員が持ち回りでブログを書くようなルールも作っている」と話す。
     HPとともにフェイスブックなどのSNSを使って職場の雰囲気や、業務風景をアピールする運送会社も多い。「自分の手で昨年4月にHPを作った」(惣田直人社長)という坂出キョードーサービス(香川県坂出市)では現在、「一方を更新すれば連動して変わる仕組みを考えている」と説明。6月からHPを開設した新興商運(兵庫県多可町)では「求人すればフェイスブックの閲覧は確実に増えるが、そうした効果でHPの認知度も高めたい」(田正司知祐社長)としている。
     Webを活用した求人事情に詳しい関係者によれば「募集している運送会社を検索してもHPやSNSの情報が何もないと、最悪の場合は悪質な書き込みも目立つ電子掲示板に書かれた自社の情報にヒットしてしまう可能性がある」と指摘。そのうえで「HPを持つのが理想だが、コストが掛からないという点でSNSをうまく使いこなすのも一つのアイデアだろう。ただ、その際は採りたいと考える年齢層に人気があるSNSを選ぶこともポイント」とアドバイスする。
    ■オーユーシステム 人材を「採る」ために、HPは欠かせない時代
     貨物運送事業者向けのパッケージソフト「車楽」で知られるオーユーシステム(南石拓哉社長、岡山市北区)が昨年末から始めた企業ホームページ作成ツールの販売事業が順調だ。「事業所で更新・管理ができ、費用も安い」という自社作成と、「SEO対策やオリジナルデザイン、作る手間が不要」といったHP作成の専門業者に頼む場合の双方のメリットを持つ格好のソフトで、「会社ごとに違った、その事業所に合ったHP作りをサポートできると考えている」とAP営業部の長濱大輔リーダー。
     企業概要や採用情報など必要なページのテンプレートは豊富で、目的に合った会社HPが簡単な操作で作成可能。更新作業も閲覧画面をそのまま編集するような手軽さで、スマートフォンなどのモバイル端末からも可能。さらに、アクセスの状況が見やすくグラフ表示されることで、閲覧状況を分析しながら掲載内容を改善することもできる。
     36歳で同社に転職した経験を踏まえ、「就職活動では少しでも多くの情報を事前に集めたいわけで、そういう意味でHPは求職者にとって欠かせないものになっている。自分の場合もOKをもらった複数の会社のうち、HPの内容から会社の素晴らしさが伝わったことが入社の決め手になった」と同氏。クライアントである運送会社のなかには「うちの規模でHPなんて…」と決め込んでしまうケースもあるというが、「人が来ない…といった待ちの姿勢ではなく、いまの時代は『採りにいく』という攻めが必要ではないか」と指摘する。
     一方、「ソフトを入れただけの状態になっていたり、せっかくHPを立ち上げても更新していない運送会社もある」とのことで、定期的にフォローしながら運用が軌道に乗るようにサポートしている。「当初は会社案内、そして営業ツールへと移ってきた企業HPの目的は現在、求人対策となっている。先輩の声や職場の雰囲気を掲載し、SNSも有効に活用すべき。全国どこでも、対面で相談に応じます」と話す。
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    ■芝田運輸 「ブログは1日1回」工夫を重ね閲覧増加
     昭和33年に祖父が原木輸送からスタートさせた芝田運輸(岡山市南区)に入社したのが12年前。「まだデジタコが出始めのころで、導入に反発するドライバーらは会社を去った。いま在籍しているのは会社の方針、進路を理解しているメンバーばかり」と芝田政典専務(38歳)。現在は約50台のトラックを抱え、建材関係の物流業務が主力だ。
     採用担当の業務も引き継いだことで3年前、ドライバー募集にSNSを使い始めたという。「前任の担当者から『募集しても人が来ない』と聞き、思いつきでやっただけ」と笑うが、フリーペーパーと併用する形で「1回の募集で少なくても5人、多いときは10人の面接希望がコンスタントにある」と実績を上げている。ハトのマークで引越事業も手掛けるために複数の広告媒体を営業用でも活用しており、「なぜか岡山は紙媒体(電話帳)の反応がいい」と併用の理由を説明。
     ホームページをリニューアルした5年ほど前にフェイスブックとも連携させた。SNSを活用するうえで知人に勧められたのがブログらしく、「業界関係者にとっては常識だから…というのではなく、そういう内容もブログに書いてもらいたい」とのアドバイスも受けた。「社内の親ぼくや得意先へのアピール、会社の取り組みなど書きたいことは山ほどある。『職場の様子が感じられて家族が安心する』というドライバーの声も励みになっている」と目を細める。
     ブログは余裕を持って書きためているものの、投稿するのは1日1回と決めている。「アップし過ぎると飽きられるのか、閲覧数がグッと落ちる。更新するタイミングも朝の8時前後がベストという感触をつかんだ。注意喚起の意味も込めてドラレコのヒヤリハット映像を掲載したこともあるが、この先も内容などを工夫しながら個性的にやっていきたい」と話している。
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