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    キユーピー 荷待ち時間発生への対策、初のリードタイム緩和

    2019年6月24日

     
     
     

     現在もトラックドライバー不足は続いており、各業界の物流関係者は対策に追われている。こうした状況下で、国交省が平成29年から調査している荷待ち時間のサンプル調査では、30分以上の荷待ち時間発生率が最も多いとされたのが加工食品物流だ。今回は、そうした業界の荷主企業が、どのような対策を行っているのか取材した。

     キユーピー(長南収社長、東京都渋谷区)は昨年8月、初めてリードタイムの緩和として翌々日配送の試行に踏み切った。この取り組みは、配送受注締めを前々日締め切りとしたもの。

     リードタイムを延長させたことで、従来以上の精度で配送・荷役作業量の予測が可能となり、調整の余裕も生まれた。例えば、構内物流も含めた物流業務の調整にリソースが割かれた結果、物流センター内では深夜の荷役作業なども減少し、配送側も荷待ち時間もなく出発・入庫できるケースが劇的に増加した。加えて同社では、朝から車両を待たせるといったケースもゼロになったという。ある事業所では、配車の手配を早期確定にした結果、トラック20台分の車両不足が解消された例も報告されている。

     なお、昨年の冬には大規模な雪害も各所で報告されたが、同社では翌々日配送体制を敷いていたおかげで、天候を見ての前倒しといった配送計画変更を実施しており、BCP対策としても注目されている。

     欠品率・納品時間切れによる持ち戻り発生率も変化が見られた。昨年8月に1都9県で実施した際は欠損率約33%減、持ち戻り率は約58%減を達成。12月に全国で実施した際も欠品率約31%減、持ち戻り率約60%減と、配送ロスの大幅な削減記録を残している。

     ロジスティクス本部の藤田正美本部長は「時間にゆとりができれば、繁忙期や悪天候時などに、お客様に対し事前に説明に向かうこともできるようになる。事前にお客様と話し合うことでお客様の理解も深まり、またクレームも少なくなった。現在も徐々に理解者が増加している。翌々日納品は、物流理解を良くするための第一歩では」としている。

     藤田本部長は「日本のサプライチェーンマネジメントは行き過ぎている部分がある」と話す。同氏は、東日本大震災の頃から既に翌々日配送の必要性を意識していた。「震災の時には、加工食品ならではの特性を生かし、翌々日配送をはじめ、過度の納入基準に規制されない物流が実現できた。しかし、震災後には元の状態へと戻ってしまった。過当競争のために無理をしてしまっているのが、現在の物流業界の一面。産業全体、ひいては日本全体のためにならない」とし、さらに「ドライバーの絶対数は、徐々に減少し続けており、今後はこうした環境を前提にしていかなければならない。そのためにもお客様には、翌々日配送でなければ物流が成り立たない時代が来つつあるという状況を理解いただき、またドライバーの皆様へも加工食品物流への悪いイメージを無くしていただけるよう働きかけを行う必要がある。こうした過当競争につながる商慣行を改善していけば、実運送に関わる現場に近い企業の皆様にも貢献できる」としている。

     同社は今年も翌々日納品の実施を計画しており、5月の10連休にも実施。受注日を2日間、配送日を4日間予定されている。検品の簡素化・効率化と合わせて展開することで、トラックドライバーの負担軽減を行いながら着荷主の負担軽減・業務の省力化を考えていく。藤田本部長は「運送事業者側からは、GW中に山ができてやりづらいのであれば営業日を増やしましょうか、という声もある。翌々日配送であれば、無理な運行を省くことにもつながる。私もドライバーの過重労働は危険視しているが、現場の方々も同じだった」としている。

    ◎関連リンク→ キユーピー株式会社

     
     
     
     
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