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物流ニュース
セールスドライバー 外国人就労の契機に?
2019年6月28日
近年、物流業界の人手不足対策として外国人労働者の受け入れが挙げられるようになった。しかし、トラックドライバーは在留資格にある特定技能などにはなく、日本人配偶者がいるケースなどを除き、外国人ドライバーの雇用は依然として厳しい状況にある。出入国在留管理庁の認めた資格の範囲を超えて働かせた場合、不法就労助長罪に問われる可能性があるという。
一方、「インバウンドや他業界での外国人雇用増加など入国者数変化に伴い、物流の顧客も変化してきた。従来当てはまらなかったものも変化するのでは」としているのは、東京都港区で人材派遣企業に所属するA氏。
同氏は近年、日本全体の人手不足ならびに、その対策に外国人労働者の受け入れが挙げられると予想し、外国人労働者の獲得に特化した人材派遣の仕組みを構築してきた。
そうした中でも特に同氏が力を入れている不動産をはじめとした生活環境の構築とセットにした戦略が注目を集めている。
同氏は、労働者の住環境ならびに、携帯電話などの契約が必要な生活機器を会社側で用意する体制を整え、「会社に来たら何とかなる」という状況を作り出している。こうした工夫が当たったのか、同氏のもとには多数の外国人就労希望者が訪れており、多くの企業へ外国人労働者を紹介しているという。
そんな同氏は、外国人ドライバーについて「現状、プロドライバーを外国人で確保するのは難しい。就労資格のうちにもドライバーはない」としている。しかし一方で、「セールスドライバーという形態であれば、別の就労形態の中に当てはまるのでは」とも話す。
同氏に詳しく話を聞くと、「在留資格の中に技術・人文知識・国際業務というものがある。技術がCADオペレーターなどに就くケースを指し、人文知識は通訳などがある。そして国際業務では、外国語が活用できるのを生かした営業業務などが見られる。この営業業務を担当するものとしてセールスドライバーに就いてもらうのはどうか」とし、続けて、「例えば、外国人を相手にした物流サービスであれば、日本語だけでは成り立たない部分がある。外国語が可能な国外出身者を外国人顧客に営業可能なスペシャリストとするのであれば、単なるドライバーとは異なるポジションとなる」と話している。
東京出入国在留管理局にセールスドライバーが技術・人文知識・国際業務の適用内にあるのか問い合わせると、「確かに、営業が在留資格の中に入るケースもある。営業には、顧客先まで移動するケースがあり、その中に車の運転が含まれるケースもある。しかし、セールスドライバーというポジションだけでは判断ができない」とし、「あくまで営業目的であれば可能であるということ。ドライバーというくくりとは別になることもある。実際に違法となるかどうかは、ケースに応じて確認していくことになるのでは」と答えている。
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