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    奈良県立民俗博物館 「交通・運輸・通信の用具展」

    2007年7月27日

     
     
     

     奈良県立民俗博物館(奈良県大和郡山市)では、現在、「人が動くモノが動く―交通・運輸・通信の用具―」と題した企画展を開催している。同館が所蔵する生活文化財、民俗資料のうち江戸末期から昭和30年代の交通・運輸に使用した道具など約90点を展示。現在の機械化される前の先人の道具が数多く展示されている。
     展示会では、一番スペースを割いているのが、材木の運搬の方法。現在は、ヘリコプターによって山で切り出した材木を吊り上げる集材が当たり前になっているが、昭和30~40年代まで行われていた運搬方法が詳しく紹介されている。


     原始的な方法は、山に林道がない場合や運搬する木材が少量の場合に行われた「肩上げ持ち出し」や大勢の人間が集まって1本の大木を運び出す「つり出し持ち」と呼ばれる方法。
    多数の割り木を地面に並べたところに、ソリを滑らせて滑り台風にして大木を山から滑り下ろす「木馬(きんま)出し」と呼ばれる運搬方法では、大木と割り木との摩擦熱で発火し、山火事になることもあったという。そのため先導者は油を割り木に塗りつつ舵をとっていく役目を担い、危険な重労働であった。その他、木でいかだを組んで川の流れを利用して運搬する方法も紹介されていた。
     昭和初期まで山中での谷越えの道具として多く使われていたのが、「野猿」と呼ばれる運搬方法。滑車を利用したしかけで、屋形に乗った人は山間に張り渡されたロープを手でたぐりよせるようにして進み、人や物資を運んだ。
     また、伝統的な生活用具であった「大八車」は、昭和30年代まで米俵、肥料、炭、材木などの生活物資の運搬に使われてきた。大八車は古代中国の殷の時代に戦車としても使われ、現在でも消防で放水ホースを巻きつける道具として利用されており、今の時代でも用途は残されている。
     展示会ではその他、「オオコ」「オイコ」と呼ばれる背負い運搬具なども紹介。物流と庶民の関わりも学び取ることができる。
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    大八車
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    背負い運搬具
     今回の展示会を企画した同館の大宮守人学芸課長は、「千変万化の激しい現在の世の中ではあるが、1000年経って変わるものもあれば、まったく変わらない普遍的要素を継承しているものがある。大八車一つを取り上げても、世界で一番小回りの効く乗り物、運搬用具であり、『はこぶ』ということが集約されている。
     まったくありふれた原初的な運搬道具ではあるが、一つ一つが先人が改良を加えながら様々な工夫を重ねてきたものであり、限られた資源を活用して物を作ってきた昔の人の価値観を少しでも感じ取ってもらえたら」と話している。
     交通・運輸・通信の用具展は8月26日(日)まで。会館時間は、午前9時~午後5時(入館受け付けは午後4時半まで)。月曜休館(ただし祝日の場合は翌日に振り替え)。
     入館料は、大人200円▽大学・高校生150円▽小中学生70円。
     問い合わせは、電話0743(53)3171番まで。
    ◎関連リンク→奈良県立民俗博物館

     
     
     
     
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