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    トラック議連メンバーに聞く【第15回】中馬弘毅議員

    2007年8月6日

     
     
     

     第三次小泉内閣で行政・規制改革担当大臣として規制緩和を進めてきた中馬弘毅衆議院議員。「規制緩和は消費者にとってはメリットがあったが、物流事業者にとっては苦しいものとなってしまった」と分析する。
     「規制緩和すれば、ある程度の新規参入はあると見込んでいたが、それは適切な需要と供給のバランスを保ちながらの増加にとどまるだろう」と考えていた。だが、「当初の見通しが大きく外れてしまった。適正な需要の中で無理して競争すれば、当然潰れるところが出てくる。競争原理で淘汰が進むと思っていた。自由主義経済が十分に機能することが前提の規制緩和だった」と振り返る。
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     予測に反し、トラック運送事業者の数は規制緩和により4万社から6万社に増加、まだ増加の勢いは止まらない。規制緩和の流れについては「いろいろなビジネスチャンスも生まれ、新規参入も増え活力も出てきている。いまさら止めることは難しい」と話す。
     だが、事業者が増えすぎて過当競争に陥っていることは大きな問題と考えている。「一番の問題は、法律を守らない事業者が出てきて、フェアな競争が出来ないこと」と指摘。「過重労働の問題にしても労働基準法がある。法律をきちんと守りフェアな競争をすれば、自然と運賃も上がる。役人は規則を作り監督し、事業者にしっかり守らせる役割を担ってもらわなければならない」と主張する。
     6月2日施行の中型免許は、中馬議員の発想から生まれたものだったという。「免許取立てのドライバーでもすぐに4t車に乗れる。運転に慣れていないからすぐに事故を起こす状況はおかしいと思った」ことが制度創設の経緯だった。だが、トラック事業者の多くは中型免許のメリットをあまり感じていない。だが、今後は高速道路の料金など「中型なりの特性を出すことを約束する」と話す。
     運送業界について「すべての人が夢をもって働いてもらう業界でなければならない。仕方なくドライバーになるというのでは、業界の未来はない。物流という枠を超えて、付加価値をつけた輸送システムを構築できれば、荷主からもらえる運賃もドライバーの賃金も上がる。頑張って欲しい」とエールを送る。
        ◇
     36年、大阪市天王寺区生まれ。61年、東京大学経済学部卒業。76年、衆議院議員初当選。05年、行政・規制改革担当大臣、06年、自由民主党行政改革推進本部長就任。大阪府第一区選出。当選9回。

     
     
     
     
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