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物流ニュース
船井総研・橋本コンサルタントに聞く「人材採用のポイント」
2007年12月25日
船井総合研究所のロジスティクスグループで、シニアコンサルタントとして活躍する橋本直行氏は、物流・運送事業者に対する経営コンサルティングを数多く手がけている。
「最近、悩んでいる経営者が多い」という「人材採用」をテーマに、そのノウハウの一端を開陳してもらった。
船井総合研究所・橋本氏
同氏によると、「採用ができない」という課題は、「よく分析すると、2つの状況に分けられる」という。具体的には、「応募者そのものの減少」と「採用できても、1週間以内に辞められてしまう」ケース。同氏は特に後者について、「採用はできても、すぐ辞められては採用コストも無駄になり、意味がない」と指摘する。
これを防ぐ方策として、同氏は「辞める理由をしっかり把握すること」を提言する。「1週間で辞める人、1か月で辞める人、3か月、1年…と、それぞれに退職理由は異なってくる。1週間であれば『思っていた仕事内容と違っていた』『先輩が何も教えてくれない』、長くなれば『人間関係』などの理由が多くなる」とし、「(退職までの)期間ごとの退職理由を集計し、その理由を一つひとつつぶしていくべき」。
これにより、離職率は劇的に低くなるという。「たとえば、『思っていたより仕事がキツかった』と言われたら、次の新人は慣れるまで2日出勤・1日休みのシフトにし、続けやすい環境にする」。これはあくまで一例だが、「甘すぎる」とも言われかねないこのような同氏の大胆な提案に、驚く経営者も多いという。
しかし、同氏は「辞められてしまえば、また一から採用活動を始めなければならない。この繰り返しは手間・コストともに非常にロスが多い」とし、人材の定着には思い切った取り組みも必要であることを訴える。
また、求人媒体を活用した採用活動については、「採用担当者が、広告の効果をしっかり測定すること」をポイントに挙げる。「『いくらの広告費用で、何人採用できたのか』という費用対効果を媒体ごとに把握し、自社にとって最も効果の高い媒体を選ぶことが重要」と指摘する。
さらに、営業所ごとに複数の求人を出す場合には、「問い合わせ、面接予約、面接、内定と、採用に至るまでの各ステップの件数を営業所ごとに割り出し、極端に通過率の低いところを洗い出す」。
具体的には、「『問い合わせは多いが、面接予約に至る確率が低い』という営業所は、電話対応が悪い可能性がある」。また、「『問い合わせ自体が少ない』場合は、広告に問題があるのかもしれない」など、数字から様々な問題点が浮き彫りになる。
そして、同氏が「運送事業者は最も力を入れるべき」と訴えるのが、自社ホームページ(HP)の制作。
「求人情報自体はフリーペーパーで見たとしても、応募の前に企業HPを確認する人は多い。真面目に、長く勤めようと考えている求職者ほど、その傾向は顕著」とし、「最近では親が『子どもを就職させるに値する会社か』を確認するためにHPを閲覧するケースも増えている」と分析。募集企業としてのアピール力を強めるには、HPが非常に有益であることを訴える。「求人広告の小さなスペースにはHPに誘導するQRコードだけを載せて、詳しいことは自社のHPで伝えるのも有効」とも。
なお、同氏は人材採用のほかにも、運送事業者の経営全般に関して課題解決に向けた支援を行っている。
詳細は同社HP、http://www.funaisoken.co.jp/ -
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