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物流ニュース
らでぃっしゅぼーや 宅配車両のCO2を「カーボンオフセット」
2008年3月21日
有機・低農薬野菜の会員制宅配ネットワークを展開する「らでぃっしゅぼーや」(東京都港区)は、宅配トラックが排出するCO2について、カーボンオフセットを実施する。
同社は現在、17社の運送事業者に配送を委託。2tトラックをメーンに、計261台の配送車両を利用しており、軽油やガソリンなどの燃料使用量からCO2の排出量を約3700tと算出。インドの風力発電事業の排出権4000t分を購入することで、宅配トラックの出すCO2排出量と相殺する。同取り組みにかかった費用は会員(消費者)に転嫁されることはなく、同社が負担する。
排出権取引の仕組み
同社はこれまで、低公害車の導入を進めるなどしてCO2排出量の削減に努めてきた。261台の利用配送車両のうち、LPG車91台、CNG車28台、ハイブリッド車1台となっているが、「それだけでは賄いきれない」(同社コーポレート・コミュニケーション室の益貴大氏)。
同氏は、「当社の事業はトラックなしでは成り立たず、CO2排出量をゼロにするのは困難」とした上で、その「代替案」として、CO2排出量を事実上ゼロの状態(カーボンオフセット)にする排出権取引の実施を決めたという。
フリーマーケット活動を推進する環境NPO「日本リサイクル市民運動の会」を母体としており、環境への意識も高い水準にある同社。益氏は、「メジャーになりつつある排出権取引に『あえて取り組んでみる』という意味合いも大きかった」と、「先行者」として実施に踏み切った経緯を説明する。
今後は、野菜の入った段ボールや会報などに同取り組みを記載することで、会員への周知・理解を促していくという。「会員には、流通過程でCO2が排出されていることを理解してもらい、環境のことを考えるきっかけになれば」と啓蒙的な要素も。
なお、「代替案」という考え方は同社に強く根ざしており、排出権取引以外の取り組みにも現れている。たとえば、生産現場ではグリーンアスパラを栽培するビニールハウスの加温にかかる電力5000kw時分について、グリーン電力証書を取得している。
同証書は、通常の電力に「環境価値」が上乗せされた金額を支払うことで発行されるもので、上乗せされた分は自然エネルギー発電の支援に使われ、これにより該当電力を「バイオマスで発電されたグリーン電力として見なす」という仕組み。「ビニールハウスでの加温栽培は温暖化促進につながりかねないが、会員からは『冬季にも国産アスパラを食べたい』というニーズが根強い」(同)ことから、「代替案」として同証書を採り入れたという。
3月から始まった今期、同社は「原点回帰」を目指すという。「もともと環境と密接なかかわりを持った会社。今期は環境CSRを遂行するために、さまざまな策を打ち出していく」という。
また、「これからは、消費者が商品を選ぶ際、商品そのものの善し悪しはもちろん、企業の考え方や姿勢を見る時代になっていくだろう」とし、環境貢献度の高い企業としてのブランディングを強化していく。
益氏
◎関連リンク→らでぃっしゅぼーや -
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