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物流ニュース
「軽」専門の求貨・求車サイト「中抜き排除して適正運賃相場へ」
2008年4月11日
軽貨物専門の求貨・求車サイトが立ち上がった。3月からリニューアルオープンしたサイトには現在、1日400件のアクセスがあるという。
「軽貨物は幾重にも仲介業者が交わり、運賃が低下するなど、適正運賃がいくらか見えない現状にある」と説明する製作者には、「軽貨物の適正な運賃相場を築きたい」との意図がある。そのため、求貨側、求車側ともに完全無料のサイトにした。運営は赤字だが、それ以上に「底辺で苦しむオーナードライバーを助けたい」と話している。
サイト名は、「軽のシゴトドットコム」。立ち上げたケーエー企画(荒尾海雲社長、東京都港区)は、「はこび屋本店」という屋号で、軽貨物事業を展開している。
荒尾社長
荒尾社長によると、軽貨物を取り巻く環境は年々厳しさを増してきているという。軽貨物業はこれまで、独立志向の強い人にとって魅力のある職種であった。しかし、あくまで個人事業主であって従業員という立場ではないため、労働時間に成約がない。そのため、立場の弱いドライバーは、苛酷な労働環境を強いられているケースも少なくない。
荒尾社長自身、4年前に飲食店から転身し、軽貨物業に足を踏み入れた。現在、約50台の委託車両を管理するまでになったが、その間、荷主の優越的地位の濫用など、さまざまな理不尽なことに遭遇してきたという。
なかでも、仲介業者が幾重にも重なり、そのたびに運賃が下がるという業界特有の体質に疑問を感じてきた。「安易に間に入って手数料を搾取する事業者が多く、末端のドライバーがしわ寄せを受けている」と同社長。そこには、朝早くから夜遅くまで働いて、ようやく生活できるという過酷な労働環境が日常茶飯事という。
「何とか中抜きを排除して、適正な運賃相場を形成できないか」。同社長が考えた末に始めたのが、「軽のシゴトドットコム」だった。
同システムは、インターネットを通じて「仕事がほしい」オーナードライバーの情報と、「軽貨物業者を探している」荷主の情報をマッチングさせるもので、軽貨物専門の求貨・求車システム。
昨年9月に立ち上げたが、当初は1日約30件のアクセスしかなかった。しかし、より見やすくするなどリニューアルを繰り返し、現在では約四百件のアクセスになったという。「とにかく情報量を増やし、軽貨物の運賃相場を形成していきたい」。
同サイトは、会員登録が必要となるが、登録からサービス享受まですべて無料で開放している。「相場を形成することが目的で、儲けを考えたサイトではない」というのが理由だが、同社長は「営業力の弱い末端のドライバーが、しっかり稼げる仕事を見つけられるようになり、若い人がもっと集まるような魅力のある業界になって欲しい」との願いを込めている。
同サイトへのアクセスは、http://www.k-sigoto.com -
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