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物流ニュース
近物レックス・小中社長「意思を持った会社に成長」
2008年5月28日
「自分の意思を持った会社に生まれ変わりつつある」。近物レックス(静岡県駿東郡)の小中章義社長は昨年6月の就任からこれまでの1年を振り返って、まずこう語った。
同社は平成19年度決算で収支を大幅に改善させた。小中社長は就任直後、4月まで遡り店所収支表を作成。売り上げだけでなく、コストを差し引いた損益を各店所ごとにガラス張りで見えるようにした。
そして、明確な数字が見えてきたところで運賃の見直しを行った。不採算運賃の荷主に対して、ねばり強く交渉。時には折り合いがつかずに取引を中止したケースもあった。ただ、「誠意を持った交渉のおかげで、15%の荷主が運賃の見直しに応じてくれた」という。
次に行ったのが「いちばん苦心した」という路線便の減便だ。9月から、特積運送会社のプライドでもある路線便の数を見直した。「主に夜を走るトラックの積載効率アップを目指した」と、それまであった914系統を、荷主に不都合が生じないよう配慮したうえでダブつきを解消、794系統にまで減らした。その成果はトラックの削減や燃料使用量の削減など、2億円以上のコスト減となって表れた。
ただ、小中社長は、「何より108か所の店所長の気持ちが変わったことが大きい」と語る。同社はこれまで、採算よりもまず荷物の量を確保することに重点を置いてきた。そこには運賃意識もほとんど働かない「意思のない」集団があった。
昨年からの改革によって各店所にコスト意識が芽生え、「お客様に声を出せなかった店所長が、自らの意思で交渉するようになった」という。また、売り上げが上げられない店所でも、コストを抑えることによって利益確保を目指すようになった。
このように企業の体質変化が実感できるようになった今年度の目標は、「ようやく損益分岐点が近づいてきた。決算での黒字化が絶対目標」という。また、「従業員に我慢してもらった部分も大きい。少しでも還元できるよう、引き続き背水の陣で臨みたい」と、気の緩みはまったくない。
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