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労働組合「スナックで勧誘活動」
2010年6月4日
労働基準法など法規制の強化により、運送事業者には厳しい内容で未払い賃金を求められるケースが増えている。また、労働組合に労働者が駆け込み、未払い賃金を得るための様々な訴えも増加しているようだ。大阪市のある運送会社でもドライバー数人が労組に加入し、未払い賃金を求めて労組側と経営者が現在も話し合っている。
未払い賃金については、過去2年間にさかのぼって請求が可能と法律で定められており、残業代を設けていない大半の運送事業者では、「求められれば応じるしかない」状況に追い込まれており、中には倒産した運送会社もある。
そんな中、「未払い賃金を支払ってもらえる」と言葉巧みにドライバーを誘い込む労組員も存在するようで、大阪市のある地域では、労組に誘い込むためのスナックが存在するという。「そこにドライバーが通い出したら100%、労組に入ってしまう」と地元の運送事業者は話す。
同スナックには労組の執行部らもたびたび訪問し、一般労組員が誘い込んだドライバーに、「未払い賃金などを会社に求める権利がある」などと説明。会社の不満を漏らすドライバーに対して、「1人で悩まず、われわれ労組を利用して当然の権利を求めればいい」などと誘い込み、強気になったドライバーが、勤務する会社に労組結成を通知するようになるという。同スナックを訪れたことのある運送会社社長は、いつも労組幹部らしき人物が数人、集まっているそうで、こそこそとドライバーらしき人物に様々なことを教え込んでいる様子を目撃した。「未払い賃金を払いたくても、現状ではとても支払えない。できれば自社のドライバーには、このスナックに行ってほしくない」と不安げに語る。
労組に詳しい別の運送会社の社長も同スナックのことは知っており、「大手運送会社で働く労組幹部がほぼ毎日通って、他の労組員らと和気あいあいとした雰囲気で語り合っている。あのスナックにドライバーが連れて行かれれば、まず労組に加入してしまうだろう」と話し、「運送会社のほとんどは残業代を歩合などに含んで、アバウトな経営状態が多い。『叩けばほこりの立つ』経営であるため、本当に立場が弱い」と嘆く。(佐藤弘行)
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