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トレーラ事故、誘導車に過失 「安全確保怠った」
2011年4月21日
規格外の貨物を輸送する場合は、通行許可を取得して一定の条件をクリアすることが必要。基本的に高さ・幅・重量・長さが規格からオーバーした貨物を輸送する時にはC条件(車両の前後に誘導車設置)が設けられている。3年前に大型トレーラが重機を輸送中に、カーブで重機を落下させる事故が発生。重機は全損で、事故処理などを含む損害額は約3000万円に及んだが、トレーラの前後に誘導車が設置されていたにもかかわらずの事故だ。事故の原因はトレーラの速度超過と荷締め不足とされていたが、このほど裁判が開かれ、誘導車にも過失があるとして損害額約3000万円のうち、25%の約750万円の支払いを命じる判決が下された。これを受けて、誘導車を扱う事業者や利用する運送事業者の間では、適正な事業を推進する誘導車を求める声が高まっている。
同裁判に関係する人物によれば、事故は今から3年前に発生。当時、誘導車を扱う事業者が重機を積んだ1台のトレーラの誘導を行うこととなった。しかし、同トレーラは重機の荷締めが、耐用荷重約3トンの荷締め機1点のみでの固定であったことに加え、カーブでの十分な減速はなかった。裁判所は、トレーラのドライバーだけに責任が及ぶものではなく、トレーラに重機の固定を指示しなかった誘導車や荷主企業にも責任は存在すると指摘。さらに、カーブ手前で対向車との衝突を回避するためトレーラが急ブレーキをかけた際、重機固定の荷締め機が破損・機能喪失したことが原因で、前方を誘導していた車両が進路の安全確保がされなかったために事故は発生したとして、誘導車に過失損害の支払いを命じたようだ。
全国の誘導車事業者で構成する全国誘導車協会では、「誘導車は、これまで以上に教育や指導が求められている。今回の裁判の内容は業界でも話題になっている。判決を受けた事業者は3年前の事故後、協会にも加入しており、本人からも説明を受けた」とする。
さらに、「当時は保険にも加入していたものの、保険内容がくわしく明記されていなかったことから、保険会社とのトラブルも生じたようだ。当協会では会員事業者自らが保険に加入し、さらに協会でも保険に加入しており、会員事業者が誘導中に万一、事故が発生すれば、見舞金として補填するなどのシステムも確立している。誘導車は今回の判決で一層、適正な指導・管理・教育・保証が必要で、協会でも厳しく、適正に事業を行っていけるようにしていく」と話している。(佐藤弘行)
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