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悲惨な事故なくそう 海コンの威力は凶器に
2011年5月10日
栃木県鹿沼市でクレーン車が登校中の小学生の列に突っ込み、児童6人をはねて死亡させる悲惨な事故が発生。事故を起こした柴田将人容疑者は持病を隠して運転を繰り返していた疑いがあるが、さらに3年前にも居眠り運転で児童をはね、執行猶予中に今回の事故を引き起こした。大ト協海コン部会の吉川公滋部会長は会議の席上、「海コントレーラも総重量で44?と、荷物を積載するとかなりの重量となる。ちょっとした衝突でも相当な破壊力で凶器となる。絶対に事故が発生しないように厳しく注意してほしい」と注意を呼び掛けた。
吉川部会長は「大阪・南港地区は住宅や小学校とコンテナふ頭が重なり合った立地で、海コントレーラが通行する道路を、住民や児童が通学・通勤で横断している。当部会もかねてから(大阪市)港湾局に対して、歩行者と大型車両が通行を分離するよう歩道橋の整備などをお願いしているが、一部の歩道橋は整備されているものの、未整備の横断歩道を利用するケースが大半」とし、「今回のような悲惨な事故を発生させないためにも、各社が普段からドライバーに対して十分に注意し、そしてドライバー自身に普段から凶器となる車両を操作しているという意識を高めさせてほしい」と訴えかけた。海コントレーラなどは、輸入コンテナの一部でコンテナ内の荷物の積み付けが不十分で、交差点で横転するなどの事故も、これまでに発生していることから、海コントレーラなどの大型車両は特に注意が必要だ。
また、今回の事故はドライバーが持病を隠していたとの疑いもある。精神安定剤や睡眠薬を服用していることを隠していたドライバーをトレーラに乗務させたことのある運送会社では、「経営陣もドライバーが安定剤などを服用していることを知らなかった。そのドライバーは薬物使用の前科があり、社会復帰したものの十分な睡眠がとれないことから、安定剤などを夜に服用し、翌日の勤務中に無性に眠気に襲われることから、『会社に迷惑をかけてはいけない』と、入社してから1年後に退職した」という。「仮に居眠り運転で事故でも起こしていれば、重大事故にもなりかねないことから、当社では現在、新規採用する場合は以前に勤めていた会社に確認したり、知人の紹介で雇用するなど、ドライバーの採用には慎重になっている」と語る。
もし死亡事故が起きると、被害者やその家族に大変悲しい思いをさせるだけでなく、ドライバーを雇っている会社にも多額の賠償が発生する。
重大事故を未然に防ぐための教育やドライバーの健康管理が必要といえる。(佐藤弘行)
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