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    M&Aに成功 対話重ねて壁取り払う

    2011年5月19日

     
     
     

     エムシーエス(松田眞吾社長、奈良県磯城郡)は過去2回、運送会社のM&Aを行ってきた。協力会社2社の倒産に伴い得意先や運転者を引き受けてきた形だが、当初は「新しい従業員となじめない」といった声もあり、現場では様々な苦労があった。しかし、対話を重ねることで運転者同士も打ち解け、得意先とも以前の信頼を損なうことなく付き合いができている。



     M&Aと言っても、正確には倒産した2社の事業を継承した形だ。1社は平成19年10月に経営破たんした運送会社で、大型車6台と6人の運転者を引き継ぎ、もう1社はその翌年の10月に経営破たんし、5台のトラックと運転者5人を引き継いだ。

     「大事なお客さんに空白を作り迷惑をかけられないし、運転者も路頭に迷わせたくない」と協力会社から懇願され引き継ぐ決心をしたが、同時に「『食あたり』を起こして全体が弱る可能性も否定できなかった」とリスクも覚悟していたようだ。

     両社とも仕事上の付き合いがあり、社長同士は仲がよく、従業員の顔も知っているとあって、順調に事業継承できると踏んでいたが、実際は従業員同士で住み分けが出来てしまい、まとまらなかったようだ。当時、運送業界に入って間もなかった植島至弘専務は、年齢的にひと回りもふた回りも上の従業員を前に戸惑いを感じながらも、対話を重ねることで、従業員同士の壁を取り払っていったという。

     「親方が変わると運転者の抵抗も大きい。年齢的にも業界の経験的にも大先輩の人だらけ。こちらが分かからないことばかりで、とにかく聞くことに徹した」という。「『教えてくれないから分からない。だから聞く』の繰り返し。繰り返すことで各々の運転者がどう考えているかが理解できるようになってきた」と、従業員との会話による情報収集を重視。結果、会社全体で次第にまとまるようになり、今では得意先の仕事もスムーズにこなすことができている。

     現在、同社はインターネット事業を駆使して新規顧客を開拓し、仕事量を増やしている。植島専務は「苦労の連続だったが、できる人、やれる人がまとまり、ようやく陣営が固まってきた。次の段階として今のメンバーでさらに仕事を充実させていければ、と考えている」と意気込む。(大塚 仁)

     
     
     
     
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