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震災後、コンテナ急増 大阪・南港で滞留問題悪化
2011年5月24日
大阪の南港地区ではこれまで、コンテナターミナル前の海コントレーラによる長蛇の列の滞留が社会問題となり、住民運動に発展するなどした。海コン輸送業者と住民との話し合いは行われたものの、大阪市港湾局からの明確な解決策はなく、問題は平行線をたどっている。こんななか、東日本大震災や放射能漏れの影響で、海外からのコンテナ輸送の船会社は大阪港などへの着岸を要求し、南港では新たな船の着岸で大幅なコンテナの取扱量増加につながっている。しかし、コンテナの増加で海コン輸送事業者の悩みも増えている。最近では、一部のターミナル以外は大規模な滞留は発生していなかったが、震災後はどこのターミナルも海コントレーラが平均で3時間ほど待たされる状態となり、海コン輸送業者は1日2便程度しか輸送できず、運賃が安い中での1日2便配送では経営が成り立たないと厳しい表情だ。
大阪市内で海コン輸送を行う事業者は、「震災以降、関東に着岸していた船が大阪港に入港していることから、これまで以上に待機・滞留がひどくなっている。当社は1日に頑張って3便の配送は出来るが、大半は2便で、東大阪など近い地域での配送では40フィートコンテナを配送しても1日の売り上げは4万円に達しないため、大幅な赤字になる。さらに、車両不足でも苦労している。増車しているがドライバー確保も厳しく、荷主から要請されても配送できないなど、開き直った状態に陥っている」と現状を話す。また、別の海コン輸送業者も「大阪南港・北港(夢洲)でもスムーズなコンテナの配送が出来ない。震災の関係でコンテナが増加するのは正直うれしいが、運賃はこれまで通りで値上げはない。今こそ業界挙げて運賃の値上げを図ることが大切では。このままでは今まで通り、待機・滞留の時間が長いだけで何も変わらない」と語る。(佐藤弘行)
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