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    「税理士に負けない力をつけよう」藤平重機 齋藤社長

    2011年6月9日

     
     
     

    saito_0606.jpg 士業、なかでも税理士の世界が変われば事業会社が変われる──。運送会社の経営者と税理士の顔を持つ立場からの発言だ。得られた利益の中から「民」が納税し合い、「公」の社会の部分を回す仕組みの「どこかがおかしい」ことに税理士が応え切れていないのは、「感情移入する能力が欠けているから」。民と公の結節点からの「新たな公」の提案は時代の要請、そう感じている。



     5月下旬、神戸市内のホテルの大広間。兵ト協の通常総会で質問のマイクを握った。「藤平重機の齋藤です。交付金に関しての要望です。そもそも交付金制度は昭和51年…」一つひとつの論点に関して、出所を示しながら理路整然と述べた。交付金を業界としてもらい続けるのか、暫定税率の廃止を求めていくのか、分かりやすい協会運営を求めた。福永征秀会長は回答の冒頭に「もっともな考え方」と応じた。

     齋藤義典氏、41歳。父の亡くなった2000年、県中部の三木市にある運送会社「藤平重機」の社長に就いた。「父はアル中で、肝臓を患いましてね」。当時、会計業務を委任していた税理士とは一面識もなく、職員が伝票を月に一度取りにくる程度。同社は債務超過で資金調達困難な状態に追い込まれていた。同氏は税理士との契約を解除し、自らの手で会計と税務申告を始めた。「契約を続行していれば早晩、倒産していたでしょうね」。

     1993年、大手都市銀行に入行。97年の「山一破綻」後、金融界は「貸し渋り」になだれをうった。その担い手を演じざるを得ず、「商業銀行の存在意義」という自身の内面にあるテーマとの矛盾に苦しんだ。部品の生産ラインを組み立てる富山県の中堅メーカーに99年に役員として迎え入れられた後、家業を継ぐため三木に戻った。

     会社の規模は小さくなっていったが、やりたい事への自由度は上がる。そんな環境になっていった。いま、同氏は考える。「中小企業は力を付けないと。そのためには『調べきる力』が必要と思っています」。

     情報が経営基盤と信じるからこその言葉だ。例えば、大手企業の場合、損害賠償などで訴えられたとしても「辣腕弁護士」さえ雇うことができれば、賠償額は抑えることができる。対価を十二分に保証し、場合によってはその他のリソースを弁護士に提供する余裕が大手企業ならば用意できるからだ。しかし、中小企業はそうはいかない。雇った弁護士でさえ、まともな応対をせず、手数料稼ぎのカモにされる恐れだってある。

     「調べきる力」は具象して表すと、弁護士を介さずに訴訟できる力など、法律の原典に当たれる力を指す。同氏は、「覚悟を持って対処するかどうかが分かれ目だと思います。そうなったとき、例えば対立していた行政庁だって『そうですね』と折れてくることは多いですね」と、説明する。

     同氏から見ると、申告漏れなどで民間と対立する行政庁の典型・税務署に対して、利益を生み出す「民」の側の思いを代弁するハズの税理士が「行政の下請けになってしまっている」ことから生じる「民と公」のねじれが目につく。企業の存続・成長なくして納税はありえないのに、成長そのものを否定するかのような税務署からの指摘がある。

     「(税理士)先生が言うなら…と折れても、悔しい思いを経営者はしている。そこに共感し、感情移入できるかどうか。もちろんロゴス(論理)の部分を忘れてはいけませんけれど」。下請け税理士の典型が、税務署員の退職組からなる「天下り税理士」だ。そうした「これまでの官=公」の発想とは一線を画す「新しい公」の活動を、税理士会でも展開中だ。

     「トラック協会は会員のほとんどが純粋な民間事業者。税理士会は会員が旧公務員。トラック協会はまだまだ健全なはずですよ」。同氏はそう話した。(西口訓生)

     
     
     
     
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