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ユニック車の怪 規制で起こった逆転現象
2011年8月1日
車両が大きく、馬力も増せば、それだけ荷物が積めるということは、誰もが当たり前のように感じることだ。しかし、そうではない現状が現場では発生している。ユニック車を保有する千葉県の事業者は、「業務に支障をきたすわけではないが」と前置きした上で、「どうしてそうなるのか不思議で仕方がない」と話している。
同社は、ユニック車を中心に保有。車庫には、4トンユニックと3トンユニックが並んでいたが、車両は明らかに4トンユニックの方が大きく、性能、パワーに関しても優れているようで、外見だけでも頑丈にできている。当然、積載も4トンユニックの方が積めるものだが、車検証に記された積載重量を見てあ然とした。4トンユニックの積載重量は2950キロで、3トンユニックが3000キロと、3トンユニックの方が積載重量が上だったのだ。これには同社社長も、「車の性能を考えると、明らかに4トンユニックの方が上だと思うのに不思議で仕方がない」とこぼしている。「なぜ、こんなことになるのか分からない」と疑問を呈するが、そこには免許の問題が大きく関係していたようだ。
関東運輸局自動車技術安全部技術課によると、「車両総重量8トンまで運転できた普通免許が、そうした現象を発生させている原因」だと指摘。そもそもこれまで製造されている4トンユニック車は、もっと積めるという余力を有している。しかし、トラックメーカーがユーザーニーズを考えると、これまでの普通免許で運転できた総重量8トンに抑えなければならなかった。そうなると、架装減トンされて、積載量は抑えられる。
一方、3トンユニックは普通免許の基準の総重量8トンまで余裕があるので、架装を考えても積載量は十分に確保できるのだという。そのため、3トンユニックよりも4トンユニックの積載量が少ないという逆転現象が起こっていた。
中型免許が新設されたことにより状況は変わったが、これまでの規制が、この逆転現象に深く関係していたのだ。
それにしても、実際に並べられた4トンユニック、3トンユニックを比較すると、どうして3トンユニックの方が積載量が多いのか。同社長が不思議がる理由が、大いに納得し、理解もできる。(?田直樹)
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