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    破綻にめげず会社設立 エキスパートサービス

    2011年10月20日

     
     
     

    toshie_1017.jpg 昨年6月に設立されたエキスパートサービス(屋号=エキスパート引越サービス、大阪府東大阪市)の良江孝幸社長は昨年4月に経営破綻した引越会社エキスパート(大阪市鶴見区)の出身。大阪支店の副支店長を任され、業績が回復していく中、経営陣が相次いで行方不明となり、会社は倒産した。気持ちを切り替え、支店にいた従業員とともに5人で引越会社を立ち上げたが、在籍していたエキパートへの愛着は強く、将来的にはエキスパートが使っていた屋号「お引越しのエキスパート」として事業展開したいという希望を持っている。



     同社長はエキスパートが破綻する半年前の一昨年10月に現場の責任者として突然、副支店長就任を命じられた。その直後から、不穏な動きが次々と起こる。

     11月に従業員への給料の遅配が初めて発生した。12月には、大阪支店長が突然、行方不明に。良江副支店長が、実質的に支店長として大阪支店を仕切ることになったが、会社の資金繰りは悪化しており、年明けからは債権者らしき人物が会社を訪問するようになった。

     その後、派遣業者からの引越スタッフが使えなくなり、段ボールなど引越資材の仕入れもストップし、いつも協力してもらっていた傭車も仕事の依頼を拒否するという事態に陥った。しかし、資材は協力会社を通じて仕入れ、足りないトラックはレンタカーを手配、引越スタッフは求人募集をかけてアルバイトを集め、何とかしのいだ。

     引っ越しのピークは3月。大阪支店では6000万円の売り上げ目標が掲げられていた。不測の事態に見舞われながらも目標の9割近い5300万円という過去最高の売り上げをたたき出した。しかし、その直後に社長が突然、行方不明となり、会社は経営破たんしてしまった。

     作業スタッフ、営業スタッフ、事務員共々、最悪の状況の中でも、「ここまでやれるんだ」と感じていただけに、皆心残りを感じていた。「もったいない」と思った当時の良江副支店長は落ち込む間もなく考えを切り替え、会社倒産の2か月後、5人でエキスパートサービスを立ち上げた。

     現在、2トン車5台を保有して、企業の転勤など法人関係の引っ越し、不動産会社関係の仕事、引越会社の下請け業務を中心に事業を展開している。設立から1年以上が経ち、同社長は「お客様第一で仕事をまじめにこなしてきたが、やっと軌道に乗ってきた」と話す。

     エキスパートサービスが目指すのは、引っ越しが終わっても、縁の切れない引越会社。「今の引越業界はサービスが出尽くしている。原点回帰に立ち、受付段階からの顧客サービスを充実させていきたい。何か困ったことがあればエキスパートサービスに相談しよう、という会社にしていきたい。決して出来ません、無理です、は言わない。それを目指していきたい」と抱負を語る。

     目標はエキスパート超え。エキスパートは関東にも拠点を持ち、百数十人規模で事業展開していた。現在、エキスパートサービスはアルバイトスタッフを含め従業員は20人。

     破綻したとはいえ、同社長にとっては10年以上在籍した会社。愛着は強く、「エキスパートサービスの知名度、評判を上げて、『お引越しのエキスパート』として、鶴見の地で事業展開したい」と意気込んでいる。(大塚 仁)

     
     
     
     
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