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    「高速道路利便増進事業」とは? 運送会社の経営を左右

    2012年2月20日

     
     
     

     「高速道路利便増進事業」という言葉をご存知だろうか。車が高速道に乗り降りするインターチェンジの数を増やすことも含まれる国の事業だが、この事業のなかで各種の高速道路割引がいま、実現している。しかし、この事業は各高速道路会社と「日本高速道路保有・債務返済機構」(以下、機構)との間の計画に対して国土交通大臣が同意するだけで計画の変更も可能な、「お手盛り」感が拭えないものだ。高速道路割引の恩恵を受ける運送業界だが、「燃料や車両価格が高止まりしている現状で経営が保てているのは高速道路の割引があるから」と話す経営者もおり、割引制度の存廃が会社の生命線を左右する状況を指摘している。



     大阪・兵庫を中心に路線網を持つ阪神高速。1月から対距離料金制が敷かれ、走行距離と料金についての周知は進んだが、割引制度にも変更があった。

     新料金は、2年後の2014年3月31日までは、事業者向けの大口多頻度割引に関しては、そのうちの車両単位割引は最大20%、契約単位割引は10%が割り引かれ、11年末までよりもそれぞれ7%と5%分、割引幅が大きくなった。

     しかし、14年4月からは車両単位割引は13%に戻され、契約単位割引は制度そのものがなくなる予定だ。ある運送会社の経営者は、「2年後には運送業界は荷物を奪い合って、さらに値引き合戦が進行しているかもしれない。割引制度があるからできた運賃の値引きが、2年後にはできなくなり、体力勝負が助長されるのではないか」と指摘する。

     では、高速道路会社が割引制度を実施する原資は何なのか。それが「高速道路利便増進事業」という名の国の制度だ。

     同事業の成り立ちは08年にさかのぼる。当時、「道路整備費財源特例法」が改定され、機構の抱える債務を2兆5000億円の範囲内で国の一般会計が承継すると定められた。それまでの高速道路の償還スキームは、高速道路会社が借り入れをし、料金収入で借入金を返していくという「償還主義」が大原則として守られていたが、それを修正。「債務返済のために税金を投入するもの」(『高速道路なぜ料金を払うのか』宮川公男氏、東洋経済新報社)として捉えられている。

     税金で成り立つ国の会計を原資として、各高速道路会社の料金割引制度が成り立っている。では、深夜割引、時間帯割引なども含めて頭には入りきらないほどの各種の割引が、猫の目のようにどんどん変わっていくのはどうしてなのか。

     高速道路利便増進事業は、各高速会社と機構が計画を立て、それを国交大臣が同意するだけで成り立ってしまうからだ。機構のホームページによると、08年10月から昨年6月まで7回の計画変更がなされている。

     「高速道路無料化」というマニフェストを掲げて政権交代した民主党政権下でも、国交大臣が3回、同意を与え、割引制度を複雑にしている。ある事業者は、「なぜ無料化ができなかったのか、なぜコロコロと割引制度が変わるのかについても説明不足だ」と、政権を厳しく批判している。(西口訓生)

     
     
     
     
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