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求職者情報で詐欺会社が暗躍
2014年3月3日
「求職者情報の提供」を持ち掛け、3か月分の料金を受け取って事業者を騙す会社が東京で暗躍している。東京労働局には、被害を受けた事業者から苦情が殺到しており、現在、警視庁と協力して調査を進めている。
ターゲットは、看護師や介護福祉士、トラックドライバー、建設作業員など「人手不足」の職種。東労局需給調整事業部の担当官は、「求職者の情報を有料で売り込むこと自体は職業安定法違反にはならないが、『何かおかしい』と感じたら、すぐに情報を提供してほしい」と話している。寄せられた苦情は、すべて東京都内に本社を置く「人事・経営の総合コンサルティング」と称するA社に関係するもの。東労局では、すでにA社を特定しているが、「調査中で、個別事案のため企業名は明かせない」という。ある事業者は「求職者の情報を3か月間提供するほか、求職者に『応募勧奨』するので1か月8万円として料金24万円を支払え」と言われ、支払った。事業者は、売り込みの口ぶりから「かなり期待して待った」が、A社からは定期的に求職者情報が送られてくるものの、A社の求職者からは「今回は見合わせたい」「応募の意思はない」などの葉書が数枚届いただけで、応募は1人もなかった。このほか、「A社は偽の情報を提供しており、求職者のはがきもA社が投函したのではないか」「求職者の連絡先が分からないので確認できない」などの苦情が急増し、労働行政と警察が動き出した。
「新聞などの求人広告を見て、話を持ち掛けてくるようだ」と東労局。警視庁では「色々な情報から詐欺の疑いがある」と判断。料金についても「振り込め詐欺などもあり、あまり高額では疑われるため、1か月の料金を10万円未満、3か月で30万円未満に設定している。求人誌に広告を出している企業は疑問を感じないだろう」と指摘する。
職業紹介は、職安法で「求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」と定義され、「あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表」に基づき、手数料を徴収することなどは認められている。ただ、A社の場合は、届け出た手数料表とはあまりに乖離しており、職安法その他に抵触している可能性が認められたという。
「求人会社にとって、求職者情報の真偽を確認することは困難。警察と協力して対処するので、多くの情報を提供してほしい」と東労局では呼び掛けている。
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