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物流ニュース
富士梱包資材 エコ事業で高齢者に「働く場」を提供
2010年11月30日
富士梱包資材(久喜市)が、地元の高齢者を活用して注目されている。同社は久喜菖蒲工業団地の開発に合わせ、昭和51年に設立。根本純子社長は「実家が梱包業を営んでいたので、自分でも梱包の仕事をしようと会社を起こした。全くの飛び込み営業で、その時代は業界で働く女性もいなかったので、会ってもらうこと自体がひと苦労だった」と話す。
現在は梱包業務と梱包資材の販売、廃棄処理業を営み、取引先から大量の使用済みダンボール箱などの廃棄も依頼されている。根本社長はこの廃棄ダンボールを見て「特に汚れているわけでもなく、もったいないが、名前が印刷されているので再使用はできない。なんとか〝再利用〟できないかと考え、断裁して緩衝材にしようと考えた」。これが紙製緩衝材「まもるくん」シリーズの製造・販売事業につながった。
エコ意識から始めた新ビジネスの立ち上げの際、根本社長は、85歳で引退した父親が体は元気だが一気に老いの症状が現れ、「高齢者こそ、体が動くうちは社会に触れながら、無理なく働ける場が必要と実感した」ことを思い出し、埼玉県にソーシャルビジネスとして「経営革新計画」を提出、承認を受けて知的障害者と高齢者に求人募集をした。
現在は20人以上が登録し、好きな時間だけ働いている。作業内容は、断裁したダンボールを混ぜ合わせ、緩衝材用紙袋に重さを量って詰め込み、封をするというもの。
「完成させた個数で支払う内職方式なので、働く人に負担が生じないようにしているが、皆さん自主的にバリバリ働いてくれている」という社長は午前と午後の休憩、お茶や麦茶を常備、酷暑の夏にはアイスクリームを出すなど、細かい気配りを欠かさない。
このビジネスモデルには埼玉県の上田清司知事も強い関心を示し、10月下旬には同社を視察している。
根本社長は「この緩衝材は潰れにくいので、重量物の部品などの詰め物に好評。車や機械部品の損傷が解消されたと喜ばれている。もっとたくさんの方に『まもるくん』を知って使っていただきたい。高齢者も30人くらいまでは増やしたい」と話している。
「まもるくん」シリーズは大中小3サイズ。
◎関連リンク→ 富士梱包資材株式会社この記事へのコメント
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